アルファベット決算続報:クラウドと広告が絶好調、懸念は巨額の設備投資増額

2025年7月24日、アルファベット(GOOGL)の第2四半期決算発表を受けて、株価は時間外で一時3.5%上昇しました。前日発表された内容に加え、アナリストの反応や通期見通しなどが明らかになり、市場では期待と懸念が交錯しています。
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検索広告が予想超え、クラウドの大型契約も好材料に

検索広告の売上は前年比12%増と、市場予想の9%増を上回る好成績でした。検索におけるクリック数も前年比4%増加しており、生成AIによる「AIオーバービュー」導入によって検索トラフィックの増加も確認されています。

クラウド部門も好調で、売上は前年同期比32%増の136億ドルに達し、2.5億ドル超の大型契約数は倍増。10億ドルを超える契約件数も上半期だけで前年の年間実績と並ぶ水準に達しました。

アナリスト評価は強気継続

証券会社ウィリアム・ブレアのアナリスト、ラルフ・シャッカート氏は、「クラウドも検索もコンセンサスを上回っており、経営陣は前四半期よりも自信を見せていた」として、株価の「アウトパフォーム」評価を維持しました。

懸念は750億→850億ドルへの設備投資増額

一方で市場の注目を集めているのは、わずか3カ月前に発表された750億ドルの設備投資見通しが、今回850億ドルに引き上げられた点です。上半期ですでに400億ドルが投下されており、下半期で残りの450億ドルを使う計画です。

メタ・プラットフォームズ(META)も同様に設備投資を引き上げており、両社ともAIインフラやデータセンターの強化を急ピッチで進めています。ただし、減価償却費の増加による利益圧迫を懸念する声もあり、株価への圧力要因となっています。

自動運転Waymoは「Other Bets」の希望の星

赤字が続く「Other Bets」部門ですが、自動運転子会社Waymoはすでに5都市で商業運行を開始し、総走行距離は7,100万マイルを超えました。現在はニューヨークやフィラデルフィアを含む10都市以上で試験運行を拡大中であり、将来的には収益ドライバーとしての期待が高まっています。

為替の追い風と市場シェアの持続性

第2四半期は米ドルが対外通貨で大きく下落したことにより、アルファベットは為替効果で1ポイント分の売上押し上げがありました。海外売上比率が約50%の同社にとって、こうした為替環境も追い風となりました。

検索市場では依然としてシェア約90%を維持しており、オープンAIやPerplexityといった新興AI検索勢力に対抗すべく、AIサマリー機能や「AIモード」の導入を進めています。

株価はやや出遅れ、今後の焦点は投資と成長の両立

2024年以降の1年間で株価は4.6%の上昇にとどまっており、ナスダック100の16.8%増には大きく劣後しています。「マグニフィセント・セブン」の中でもアップルに次いで最もパフォーマンスが低い状況ですが、今回の決算で成長性を再認識する投資家も増えています。

今後は、急成長するクラウドや広告収益を維持しつつ、巨額の設備投資がどのように成果に結びつくかが注目されます。

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