7月23日(水)の米国株式市場は、S&P500とナスダック総合指数がともに終値ベースで過去最高を更新しました。米国と日本が通商協定に合意したとの報道が市場を後押ししました。個別銘柄では、決算や業績見通しを受けて大きく株価が動いた企業が多数見られました。
以下は、23日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
リバティ・エナジー (LBRT)
株価:+17.78%
リバティ・エナジーは石油サービス企業です。原子力スタートアップ企業のオクロとデータセンターなど高電力需要の産業向けに統合電力ソリューションを提供する戦略的提携を発表したことで急騰しました。
*関連記事「原子力×天然ガスの新モデル始動、オクロとリバティ・エナジーの株価急騰」
ラム・ウェストン (LW)
株価:+16.31%
ラム・ウェストンは冷凍フライドポテトの世界的大手メーカーで、外食産業向けを中心に業務用食品を展開しています。第4四半期決算で市場予想を大きく上回る業績を発表し、新たなコスト削減プログラムを導入しました。従業員の4%を削減する計画も示されました。
ディーウェーブ・クアンタム (QBTS)
株価変動: +15.41%
ディーウェーブは量子アニーリング技術を用いた量子コンピュータを開発するカナダ企業。アナリストの好意的評価を受け、株価は大きく上昇しました。
*関連記事「ディーウェーブ・クオンタム株が急騰!カナコードが「買い」評価と目標株価20ドル」
GEベルノバ (GEV)
株価:+14.58%
GEベルノバは、再生可能エネルギーや送電技術を中心としたエネルギー関連事業を展開する企業です。第2四半期の業績が予想を上回り、通期ガイダンスも上方修正されたことが好感されました。
*関連記事「GEベルノバ株が急騰!好決算とAI電力需要の恩恵とは」
カルメイン・フーズ (CALM)
株価:+13.80%
カルメイン・フーズは米国最大の卵生産・販売会社です。第4四半期の売上は前年同期比72%増の11億ドル、EPSも大幅増となりました。1ダースあたりの平均販売価格が3.31ドルと55%上昇し、販売数量も増加しました。
オクロ (OKLO)
株価変動: +9.21%
オクロは次世代型小型モジュール炉(SMR)を開発する米国の核エネルギー新興企業です。石油サービス企業のリバティ・エナジーとデータセンターなど高電力需要の産業向けに統合電力ソリューションを提供する戦略的提携を発表したことで急騰しました。
*関連記事「原子力×天然ガスの新モデル始動、オクロとリバティ・エナジーの株価急騰」
AT&T (T)
株価:+1.20%
AT&Tは米国の大手通信事業者で、モバイル・固定通信やメディア事業を展開しています。第2四半期の調整後EPSが54セント、売上高が308億ドルでいずれも市場予想を上回りました。トランプ大統領の税制により65億~80億ドルの節税効果が見込まれ、その一部を光ファイバー投資に充てる計画です。
テスラ (TSLA)
株価:+0.14%
テスラは、電気自動車(EV)およびエネルギー貯蔵システムを手がける米国のEV大手です。第2四半期決算発表を控え、前日比では小幅高。年初来では約18%下落しています。
アルファベット (GOOGL)
株価:-0.58%
アルファベットは検索エンジン「Google」を傘下に持つIT大手。決算発表前の利益確定売りにより反落。10日続伸していた反動とみられます。
SAP (SAP)
株価:-5.11%
SAPはドイツの大手エンタープライズ向けソフトウェア企業です。第2四半期のクラウド収入は前年比24%増の51.3億ユーロでしたが、市場予想 (51.8億ユーロ) をわずかに下回ったことで米国市場では売られました。
テキサス・インスツルメンツ (TXN)
株価:-13.34%
アナログ半導体やマイコンを手がける米国の大手半導体企業。第2四半期の業績は予想を上回ったものの、第3四半期の見通しが市場予想を下回り、自動車市場の回復遅れや今後の関税リスクが嫌気されました。
*関連記事「テキサス・インスツルメンツ決算後に株価急落!その理由とは?」
フィサーブ (FI)
株価:-13.84%
フィサーブは決済処理および金融ソリューションを提供する米国のITサービス企業です。通期の売上およびEPS成長見通しを引き下げたことがネガティブサプライズとなり、株価が急落しました。
エンフェーズ・エナジー (ENPH)
株価:-14.16%
エンフェーズ・エナジーは太陽光発電システム向けのマイクロインバーター製造企業です。第2四半期の業績は好調だったものの、第3四半期の売上見通し (3億3000万~3億7000万ドル) が市場予想 (3億6850万ドル) を下回ったため失望売りが出ました。
*過去記事 株価変動