2025年7月22日、米メディア「バロンズ」は、オラクル(ORCL)株が人工知能インフラ計画「Stargate(スターゲート)」に関する報道を受けて下落したことを報じました。同計画はオラクル、オープンAI、ソフトバンクが関与する大規模な取り組みで、総額5,000億ドル以上とされるAI関連データセンター構想です。
スターゲートの「減速」報道と株価の反応
ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、オープンAIとソフトバンクの間に意見の相違が生じ、今年の目標は小規模なデータセンター1つの建設に限定される見通しとされています。この報道を受け、オラクル株は一時2.8%下落し、236.71ドルをつけました。
ただし、オラクル株は直近3か月で86%の上昇を見せており、中長期的な期待は依然として高いままです。
オープンAIはあらためて拡大計画を表明
こうした懸念に対し、オープンAIは7月22日にオラクルとのパートナーシップを通じて、米国内に合計4.5ギガワット規模の新たなデータセンターキャパシティを建設する計画を発表しました。これには200万個以上のAIチップが含まれるとしています。
オープンAIはまた、「スターゲートは当社のAIインフラ戦略全体を指す用語」であり、オラクルやソフトバンク、AIクラウド企業のコアウィーブ(CRWV)、さらにはマイクロソフト(MSFT)とのパートナーシップも含まれていると説明しています。
アナリストは長期的な成長機会を評価
UBSのアナリストであるカール・キアステッド氏は、オラクル株の目標株価を従来の250ドルから280ドルに引き上げ、投資判断「買い」を継続しています。オープンAIとの関係強化が、将来的にはマイクロソフトに代わってオラクルがより多くのAIインフラ需要を取り込む可能性や、自社ソフトウェアの強化にもつながると指摘しています。
ソフトウェアよりもインフラ銘柄に注目
同氏は、「現在の市場環境では、株価の割安感からSaaS(サービス型ソフトウェア)株に注目が集まる場面もあるが、インフラ・データ領域の銘柄に注目し続けるべき」と述べ、オラクルがその代表格であるとしています。
今後の展望
スターゲート構想の全貌や資金調達方法はいまだ明確ではありませんが、オラクルにとってオープンAIとの連携は確実に成長ドライバーとなっています。一時的な「遅れ」はあるものの、長期的なインフラ需要の恩恵を受ける可能性は依然として大きいと言えそうです。