2025年7月22日、米メディア「バロンズ」は、イーロン・マスク氏が率いる人工知能企業xAIが新たな資金調達を進めていると報じました。報道によれば、xAIはエヌビディア(NVDA)のAIチップをさらに購入するため、120億ドルの資金を第三者を通じて調達しようとしているとのことです。
資金調達とAIチップのリース構想
今回の資金調達は、xAIが直接設備投資を行うのではなく、第三者がチップを購入してxAIにリースする形態になる可能性が高いとされています。これは、資本支出を営業支出へと変換し、キャッシュフローを温存する一般的な手法です。xAIからの公式コメントはまだ出ていません。
テスラとxAIの関係が再注目される背景
マスク氏は7月13日、X上で「テスラがxAIに投資すべきかどうかを株主投票にかける」と投稿しました。さらに、スペースXがxAIに20億ドルを投資したという報道も出ており、同氏の関連企業間での統合や連携の可能性が改めて注目されています。
テスラ株主の支持と市場の反応
マスク氏のビジョンに共感する株主が多いことは、過去の報酬パッケージへの賛成投票からも明らかです。ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブス氏は「テスラ投資家はxAIにもっと関与してほしいと考えており、投票が行われれば大差で可決されるだろう」と語っています。
実際、xAIに関する報道のなかで、テスラ株は上昇傾向にあります。2025年7月22日の取引では1%上昇し、月間では4%の上昇を記録しています。
「X」構想と統合への期待
バロンズの記事では、xAIやスペースXなどを傘下に持つ巨大企業「X」をマスク氏が構想している可能性にも言及しています。これが実現すれば、AI、自動運転、ロボット工学、宇宙産業が一つの企業体に統合され、シナジー効果が期待されることになります。
まとめ
今回のxAIによる資金調達の動きは、単なる資金確保にとどまらず、テスラやスペースXとの関係性、そしてマスク氏のビジネス帝国全体に新たな展開をもたらす可能性があります。テスラ株への短期的な影響は限定的ながら、長期的にはAI戦略の中核を担う重要な要素として、投資家の注目が集まりそうです。
*過去記事はこちら テスラ TSLA