2025年7月21日、米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は第2四半期決算を発表しました。株価は決算発表を受けて、プレマーケットで約4%上昇しています。
フリーキャッシュフロー見通しを引き上げ
今回の決算で最も注目されたのは、フリーキャッシュフローの通期見通しが大幅に引き上げられた点です。従来は175億〜185億ドルとしていた年間のフリーキャッシュフロー見通しを、195億〜205億ドルへと上方修正しました。
フリーキャッシュフローは、同社のように高配当を維持する企業にとって重要な財務指標です。ベライゾンの配当利回りは現在約6.6%に達しており、安定したキャッシュ創出能力への信頼感が株価を押し上げています。
契約者数ではやや弱含み
一方で、ポストペイド(後払い)契約者数では市場予想を下回る結果となりました。コンシューマー部門では5万1000人の純減、ビジネス部門では4万2000人の純増がありましたが、全体では9000人の純減となりました。市場予想は1万3000人の純増だったため、ややネガティブなサプライズです。
ただし、プリペイド(前払い)契約では5万人の純増となり、前年同期の1万2000人減から大きく改善しました。
EPS・売上ともに市場予想を上回る
1株あたり利益(EPS)は調整後で1.22ドルとなり、アナリスト予想の1.19ドルを上回りました。売上も345億ドルと、予想の337億ドルを上回る着地となっています。
また、通期のEPS成長率見通しについても、従来の「横ばい〜3%」から「1〜3%」へと下限を引き上げました。EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)も2.5〜3.5%増と、従来の2〜3.5%増からわずかに上方修正しています。
CEOコメントと今後の見通し
CEOのハンス・ベストベリ氏はリリースの中で、「高品質で業界をリードする顧客基盤、複数の成長経路、セグメント化された戦略の成功、そして当社の強固な財務体質が裏付けられた四半期だった」と述べています。
今回の決算は、ポストペイド契約者数の弱さという懸念材料を抱えつつも、キャッシュフローや収益性の改善によって投資家の期待を上回る内容となりました。高配当銘柄としての魅力が再確認され、今後の動向にも注目が集まります。