2025年7月20日付の米投資情報メディア「マーケットウォッチ」は、アルファベット(GOOGL)の決算発表を前に、AI分野での投資とその影響に焦点を当てた記事を掲載しました。同社は7月23日(水)に第2四半期決算を発表予定です。
AI投資継続の一方、検索ビジネスには逆風も
記事では、AIインフラと開発に莫大な資金を投じるアルファベットの姿勢に触れつつ、AIチャットボットの普及が同社の中核事業である検索に与えるリスクについて言及されています。ChatGPTやClaudeなどの対話型AIによって、ユーザーが従来の検索エンジンを使わずに情報収集を行う場面が増えつつある点が指摘されています。
また、広告主であるSheinやTemuからの広告収入が前年に比べて減少していることや、トランプ大統領による輸入関税強化が広告事業に与える影響についても分析されています。
クラウドやYouTubeは好調維持との見方も
一方で、トゥルイスト証券のアナリストであるユセフ・スクアリ氏は、検索需要は依然として底堅く、YouTubeやGoogle Cloudが業績を下支えすると予測しています。また、Googleの強みである検索デフォルト設定やファーストパーティデータ、出版社との関係性がAIベースの競合他社に対する優位性になるとも述べられています。
検索以外のビジネス領域として、YouTubeやクラウド、自動運転事業のWaymoなどが今後さらに評価される可能性があるという見方も紹介されていました。
AI競争と広告の変化がカギに
今回のマーケットウォッチの記事は、アルファベットが置かれた競争環境と、AIによる産業構造の変化を浮き彫りにするものでした。今後の焦点は、Googleがどのように検索事業を進化させ、AIに適応していくかに集まりそうです。
アルファベットの決算では、検索AI「Gemini」の収益化状況やAIオーバービューの広告収益への影響、そしてクラウド事業の伸びに注目が集まります。
*過去記事 アルファベット GOOGL