アンソロピックに1000億ドル超の評価も?AI企業に投資家が熱視線

  • 2025年7月18日
  • 2025年7月18日
  • BS余話

AIスタートアップのアンソロピック(Anthropic)が、次の資金調達で評価額1,000億ドルを超える可能性が出てきました。2025年3月に実施された調達ラウンドでは580億ドルとされていましたが、ここ数カ月の収益成長と収益性改善を受けて、投資家の関心が再び高まっているようです。

急成長するClaudeとコード向けAIの収益

アンソロピックは、Claudeと呼ばれる対話型AIのほか、プログラミング支援に特化した「Claude Code」を展開しています。このClaude Codeが急成長しており、2025年6月時点で週あたり300万回のダウンロードを記録。年換算で2億ドル超の売上をClaude Code単体で生み出しているとされています。

同社の売上は2025年前半だけで4倍に増加し、年換算では40億ドル超となっています。この成長ペースが継続すれば、2026年には120億ドルの売上到達も視野に入ります。

粗利益率は向上傾向、ただしクラウド経由では赤字

同社が直接顧客に提供するClaudeのモデル販売による粗利益率は約60%で、70%に向けて改善しているとのことです。ただし、Amazon Web ServicesやGoogle Cloud経由で販売されるClaudeは、2025年前半時点で-30%の粗利益率と報告されています。クラウド事業者による手数料の影響が大きいと考えられます。

とはいえ、クラウド経由の売上は全体の3割未満にとどまっており、大半は自社経由の直接販売で構成されている模様です。

オープンAIと比較される中での課題と成長性

オープンAIと比べると、アンソロピックは効率性の面で劣っているとされ、2025年のキャッシュバーンは30億ドル、前年は56億ドルを見込んでいます。一方、オープンAIは2025年に68億ドルを費やし、130億ドルの売上を計画しています。

ただし、アンソロピックの強みはコード自動化分野でのプレゼンスです。競合アプリ「Cursor」もアンソロピックのモデルを活用しており、こちらも急成長。Cursorは2024年11月時点で年商5,000万ドル程度でしたが、2025年6月には5億ドルにまで拡大したとされています。

今後の資金調達と企業価値の行方

こうした実績を受けて、一部投資家は今後の資金調達ラウンドでアンソロピックを1,000億ドル以上と評価する姿勢を見せており、2025年中に5.5億ドルの調達を目指しているとの情報もあります。

オープンAIが2025年初めにソフトバンクとの交渉で2,600億ドルのバリュエーションを提示されたのと比較すると、アンソロピックの現在の評価はより控えめながら、収益成長やコード自動化への強みを背景に投資妙味が高まっていることは確かです。

大規模言語モデル(LLM)によるコード自動化が、AIが人類の「経済的に価値ある仕事」を代替する第一歩になるとも言われており、今後のアンソロピックの動向には引き続き注目が集まりそうです。

*過去記事「AIの本命はどこか?急成長するオープンAIとアンソロピックに注目

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