米投資情報メディア「バロンズ(Barron’s)」が7月16日に報じたところによると、マイクロソフト(MSFT)の第4四半期決算に向けた期待が高まっています。同社は7月30日に決算を発表する予定で、ウォール街のアナリストは引き続き堅調な結果を予想しています。
AIとAzureクラウドが成長を牽引
マイクロソフトは過去9四半期連続で前年同期比の1株当たり利益を増加させており、今回で10期連続の増益となる可能性があるとのことです。主な成長要因は、人工知能(AI)への投資と、商業クライアントからのクラウドコンピューティング需要です。
カンター・フィッツジェラルドのアナリスト、トーマス・ブレイキー氏は、マイクロソフトの目標株価を従来の512ドルから581ドルに引き上げ、「オーバーウェイト」の評価を維持しています。AIとAzureを中心とした中期的な成長が期待できるという業界パートナーの声を受けての判断です。
アナリストの評価はおおむね強気
米国みずほ証券のグレッグ・モスコウィッツ氏もAzureに対して楽観的な見方を示しており、同社株を「アウトパフォーム」と評価しています。Azureの売上は前年同期比で34~35%の成長が見込まれており、モスコウィッツ氏はその上限に達する可能性が高いと予測しています。これに伴い、目標株価も500ドルから540ドルに引き上げられました。
ウェドブッシュ証券のダン・アイブス氏は、さらに強気な見解を示しており、AIのクラウド実装による収益化が「変革的な機会」であると評価しています。同社のインテリジェントクラウド部門の成長が、引き続き好決算につながるとの見方です。アイブス氏は、マイクロソフト株の目標株価を600ドルに設定し、「アウトパフォーム」の評価を継続しています。
時価総額4兆ドルが視野に
マイクロソフトは現在の時価総額で約3.8兆ドルに達しており、エヌビディア(NVDA)に続く「時価総額4兆ドルクラブ」入りが現実味を帯びています。年初来で株価はすでに20%以上上昇しており、今後の決算内容とAI関連の進展次第ではさらなる上昇が期待されます。
まとめ
今回の「バロンズ」による報道は、マイクロソフトのAI戦略とクラウド事業の成長性に対する投資家の期待が高まっていることを裏付けるものでした。7月30日の決算発表に注目が集まります。
*過去記事はこちら マイクロソフト MSFT