2025年7月16日、ソフトウェア企業のギットラブ(GTLB)とアトラシアン(TEAM)が、キャピタル・ワンのアナリストからそろって格下げを受けました。両社ともに人工知能(AI)市場の競争激化によって、今後の成長に暗雲が立ち込めていると指摘されています。
AIによる代替の波と収益見通しの不透明感
キャピタル・ワンのアナリスト、コナー・マーフィー氏は、ギットラブとアトラシアンの投資判断を「オーバーウェイト(強気)」から「イコールウェイト(中立)」へと引き下げました。その理由として、顧客獲得ペースの鈍化や、ユーザーあたり平均売上の縮小が挙げられています。マーフィー氏は、「AIを活用した代替ツールやプライベートなコード生成機能の普及が、両社の価値提案に影響を及ぼす可能性がある」と述べています。
ギットラブ:新機能の導入も先行きは不透明
ギットラブについては、目標株価を従来の54ドルから46ドルに引き下げています。同社は年内に外部AIツールとの連携を可能にする「Agent Platform」を導入予定ですが、その戦略がどれほどの収益インパクトを持つかについて、マーフィー氏は「不透明」としています。
アトラシアン:ガイダンスの弱さが評価に影響
アトラシアンに関しても、目標株価が241ドルから211ドルに引き下げられました。第3四半期の売上は市場予想を0.5%上回ったものの、第4四半期の見通しが弱かった点が評価に影響しました。特に大規模企業向けの「データセンター」製品は予想を0.2〜0.3%下回るなど、クラウド以外の事業に課題が見られます。
AI時代における開発ツールの立ち位置が焦点に
ギットラブとアトラシアンはいずれも開発者向けの人気ツールを提供してきた企業ですが、AI時代においてはその立ち位置が変化しつつあります。開発者が外部ツールを使わずにコード生成を完結できるようになると、従来の開発支援プラットフォームの必要性が薄れる可能性もあります。今後はAIとの共存・連携戦略が両社の明暗を分けるカギとなりそうです。