アーム株が急伸、AIチップ市場参入の可能性に注目集まる

  • 2025年7月17日
  • 2025年7月17日
  • BS余話

英国ロンドンに本社を置く半導体設計企業アーム・ホールディングス(ARM)の株価が、7月16日の米国市場で4.6%上昇しました。終値は153.9ドルとなっています。その背景には、AI向けのカスタムチップ市場への参入期待があると、一部のアナリストが指摘しています。

BNPパリバがアーム株を格上げ、目標株価はほぼ2倍に

BNPパリバのアナリストチームは、アームの株式評価を「中立」から「アウトパフォーム」へと引き上げ、目標株価を従来の110ドルから210ドルに大幅修正しました。現在アームはチップの設計図をライセンス提供するビジネスモデルを採用していますが、今後は自社でAI向けのアプリケーション特化型集積回路(ASIC)を製造・販売する可能性があると指摘しています。

同社は公式にはASIC市場への進出を発表していませんが、報道によればメタ・プラットフォームズ(META)を初の顧客とする独自チップを2025年中に発表する計画があるともされています。

AI特化型ASIC市場は2030年に2,000億ドル規模へ

BNPの試算によると、仮にアームがASIC市場でシェアの7%を獲得した場合、2030~2031年度の営業利益は倍増し、売上は80億~150億ドルに達する可能性があるとのことです。アーム株は年初来で約16%上昇していますが、アナリストは「この成長余地はまだ株価に十分織り込まれていない」と見ています。

顧客との競合リスクを超える収益チャンス

アームがASIC市場に参入することは、現在の顧客企業であるブロードコム(AVGO)やマーベル・テクノロジー(MRVL)と競合するリスクを伴います。しかし、BNPパリバは「AI半導体バリューチェーンにおける価値をより多く取り込める」とし、リスクよりもリターンが上回るとの見方を示しました。

今後の注目点

現時点でアームからの公式発表はなく、ASIC製品の実際の展開時期や性能、販売戦略などは不明です。ただし、メタが顧客となるという報道が事実であれば、今後の収益構造が大きく変わる可能性もあります。アームが設計企業からチップメーカーへとビジネスモデルを拡大するのか、その動向に注目が集まっています。

*過去記事「アームが半導体市場を席巻!2025年最新シェア争いと注目の投資ポイント

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