ChatGPTがホワイトカラー業務の中心アプリを目指して進化を続けています。米テック系メディア「The Information」が報じたところでは、オープンAIは、ChatGPT上でプレゼンテーションやスプレッドシートを作成・編集できる新機能の開発を進めており、マイクロソフトのExcelやPowerPointへの依存を減らす可能性があるそうです。
プレゼンや表計算を自然言語で生成
新たに開発中の「エージェント」機能により、ChatGPTユーザーはPowerPointやExcelと互換性のあるファイルを自然言語の指示だけで作成できるようになります。たとえば「アップルの割引キャッシュフロー分析を作って」や「TSMCの設備投資の推移をプレゼン資料にまとめて」といった指示を出すことで、ChatGPTが自動的にファイルを生成するとのことです。
これらのファイル形式はマイクロソフトがオープンソース化しており、オープンAIはマイクロソフトの許可を得ることなく作成・配布が可能です。
ドキュメント共同編集機能も開発中
ChatGPTはすでに「Deep Research」や「Operator」といった、ウェブ情報の要約や操作を行う高度な機能を提供しています。今回の新機能ではさらに一歩進み、ウェブサイト上での自動操作や関連情報の検索・取得といった動作も可能になる見通しです。
また、複数人で同じドキュメントにアクセスし、共同作業を行う機能の開発も進んでいるとされています。Google WorkspaceやマイクロソフトOfficeが提供する共同編集機能に近い形での実装が期待されます。
実用化には課題も残る
一方で、これらの新しいChatGPTエージェントは動作が遅く、不安定な場面もあるようです。あるユーザーによれば、人間なら10〜15分で終わる作業に30分以上かかるケースもあるとのことです。
また、ファイルのフォルダ管理など、既存のオフィスアプリにある基本機能がChatGPTにはまだ備わっていない点も指摘されています。
企業向けの活用が拡大中
現在でも数千万人のユーザーがChatGPTの有料プランを利用しており、レポート作成やマーケティングコピーの生成、データ分析、コード作成など幅広く活用されています。今回の新機能が実装されれば、ChatGPTはさらにビジネスツールとしての価値を高め、マイクロソフトやGoogleが提供するプロダクティビティスイートの競合として存在感を増す可能性があります。