2025年7月15日、米ペンシルベニア州で開催されたエネルギー・イノベーションサミットをきっかけに、AI関連企業による大規模な投資発表が相次ぎました。なかでも注目を集めたのは、コアウィーブ(CRWV)の株価急騰です。
コアウィーブ、ランカスターに最大60億ドルの投資
コアウィーブは、ペンシルベニア州ランカスターに最大60億ドル規模のデータセンターを建設する計画を発表しました。初期段階では100メガワット規模で稼働し、将来的には300メガワットまで拡張できる構想です。同社はこの施設を「地域における初の大規模AIデータセンター」と位置づけ、アメリカのAI競争力を支える重要な基盤になると述べています。
この発表を受けて、コアウィーブの株価は15日の米国市場で10%近く上昇し、145.4ドルあまりで取引されています(米国東部夏時間13:18現在)。6月に記録した183.58ドルの高値には届いていませんが、それでもIPO後の大幅な上昇を示しています。
アルファベットも250億ドルを投資へ
さらに注目すべきは、アルファベット(GOOG、GOOGL)が米東部PJMエリアにおいて、今後2年間でデータセンターおよびAIインフラに対して総額250億ドルを投資する計画です。同社のCIOであるルース・ポラット氏がサミットに出席し、意欲的な計画を公表しました。
また、アルファベットとブルックフィールド・アセット・マネジメントは、ペンシルベニア州の水力発電施設を近代化するための30億ドル規模の「水力フレームワーク契約」も締結しました。これは「世界最大の企業による水力発電契約」と位置づけられています。
AI普及と電力需要の拡大
今回の投資発表から明らかなのは、AIの普及が急速に進む中で、電力インフラの整備が喫緊の課題となっている点です。マイクロソフト(MSFT)やアマゾン(AMZN)も含めた大手クラウド企業は、AI運用に対応するため、昨年から原子力や再生可能エネルギーの確保を進めています。
今回のペンシルベニア州での動きは、AIとエネルギーが密接に結びついた次世代インフラの幕開けを示す象徴的な出来事といえそうです。