2025年7月14日、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、アンシス(ANSS)の除外に伴いトレードデスク(TTD)をS&P500に新規採用すると発表しました。しかし、市場関係者の一部が期待していたロビンフッド・マーケッツ(HOOD)は、今回も選出を見送られました。
市場価値では圧倒的な存在感
ロビンフッドは現在、約880億ドルの時価総額を誇り、S&P500未採用企業の中でも際立った存在です。今回採用されたトレードデスクの時価総額(約370億ドル)の2倍以上という規模にも関わらず、指数採用は見送りとなりました。
指数構成銘柄の選定には、時価総額や流動性、直近4四半期の累積利益など明確な基準がありますが、最終的な採否は指数委員会の裁量に委ねられています。これまでもテスラなどが長らく採用されなかった例があり、単純に規模や業績の良さだけでは採用に至らないことがあります。
投資家の期待と失望
2025年に入ってからロビンフッド株は急騰しており、年初来で168%を超える上昇を記録しています。仮想通貨取引の拡大や退職口座(IRA)など新サービスが好感され、業績の改善も見られます。S&P500への採用が期待されるたびに、株価にポジティブな材料として織り込まれる傾向がありますが、今回もその期待は実現しませんでした。
7月9日に実施されたジュニパーネットワークスの除外に伴う銘柄入れ替えの際も、ロビンフッドの名前が挙がっていましたが見送り。今回のトレードデスク採用により、2回続けての落選となりました。
採用されない理由はどこにあるのか
ロビンフッドは株式売買手数料の無料化や若年層への金融アクセスを広げた功績から注目を集めていますが、一方で収益の不安定さや仮想通貨関連ビジネスへの依存度が高い点を懸念する声もあります。また、収益構造の持続可能性や規制リスクなども指数委員会の判断材料になっている可能性があります。
今後の展望
ロビンフッドは、時価総額・売上成長・話題性すべてを兼ね備えた企業であり、今後もS&P500採用候補として名前が挙がり続けることは確実です。次回の四半期リバランスや買収・合併による枠の空きが出た際には、再び期待が高まることが予想されます。
指数採用による影響は一時的な株価上昇だけでなく、ETFからの資金流入や企業としての信頼感向上にもつながるため、ロビンフッドの今後の動きに引き続き注目が集まります。
*過去記事「ロビンフッド株が急騰、背景にある複数の成長エンジンとは」