2025年注目のAI関連銘柄:ネビウス・グループとは何者か?

  • 2025年7月15日
  • 2025年7月15日
  • BS余話

2025年前半に急成長を遂げたAI関連銘柄のひとつが、ネビウス・グループ(NBIS)です。データによると、同社の株価は6月末までに99.7%上昇し、1年の半分でほぼ倍増しました。

エヌビディアが支援する新興AIクラウド企業

ネビウスはかつて「ロシアのグーグル」と呼ばれていたヤンデックスの欧州部門から派生した企業です。ロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシア事業を切り離し、本社をアムステルダムに移転。その後、欧州におけるAI特化型の新興クラウド企業(いわゆる「ネオクラウド」)として再スタートを切りました。

2024年8月にNASDAQに再上場し、2025年に入ってからはエヌビディア(NVDA)主導の7億ドルの資金調達を実施。これにより、エヌビディアの最新GPU「ブラックウェル」シリーズを優先的に確保できるパートナー企業となり、AIインフラ提供企業としての地位を急速に高めました。

驚異的な売上成長と利益率改善

ネビウスが注目された最大の理由は、その驚異的な業績です。2025年第1四半期の売上成長率は前年比385%、年換算売上(ARR)は684%増の2億4900万ドルに達しました。コストの増加が96%にとどまったことから、利益率の改善も顕著でした。

同社は年末までにARRを7.5億〜10億ドルへ引き上げるガイダンスを出しており、その実現可能性に投資家の注目が集まっています。

トローカへの投資と著名人の関与

ネビウスは2025年第1四半期に、AI向け高品質データを提供する「トローカ」社に過半数出資しました。この企業は、アマゾン創業者ジェフ・ベゾスの投資会社「Bezos Expeditions」や、ショッピファイCTOのミハイル・パラキン氏が支援していることでも知られています。

AIの精度を左右する「データの質」の重要性が高まる中で、トローカとの連携はネビウスにとって戦略的な意味を持ちます。

アナリストによる強気の評価も後押し

2025年6月には、英系調査会社Arete Researchがネビウスに対し84ドルの目標株価を提示。これは当時の株価の約1.5倍に相当し、株価は再び大きく上昇しました。同社のAIクラスタ資産の潜在的価値や、ブラックウェル GPUの供給不足による競争優位性が高く評価された格好です。

ネビウス株の今後は?

現時点では売上の20倍という高いバリュエーションが指摘されていますが、年末までにARRが10億ドルに達すれば、ARRベースで約10倍と、成長企業としては許容範囲に収まります。ただし、ネビウスはまだ初期段階の企業であり、今後の収益の持続性や市場競争など、不確定要素も多く残されています。

今後の成長ストーリーが実現するかどうか、投資家の注目が集まる1年になりそうです。

*過去記事「ネビウス・グループ株が急騰、ゴールドマン・サックスが強気予想

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