2025年7月14日、サイバーセキュリティ企業クラウドストライク(CRWD)の株価が年初来で約39%上昇する中、大手証券会社モルガン・スタンレーは投資判断を引き下げました。アナリストのキース・ワイス氏は、従来の「オーバーウェイト(強気)」から「イコールウェイト(中立)」に格下げし、目標株価は490ドルから495ドルにわずかに引き上げたものの、「現時点で株価は十分に評価されており、リスクとリターンが均衡している」と述べています。
「バリュエーションが割高」と判断
同氏は、「バリュエーションが完全に織り込まれている状況では、一旦様子見が妥当」とし、レポートには「Take a Pause as Valuation Looks Full(評価が十分に織り込まれているため、しばし立ち止まる)」というタイトルが付けられました。クラウドストライクは、2026年の予想売上高に対してエンタープライズバリュー倍率(EV/Sales)が21倍に達しており、これは大手ソフトウェア企業平均の12倍を大きく上回る水準です。
成長性への期待は継続
ただし、同社の事業基盤は依然として堅調で、ワイス氏は今後3年間で年間25%のフリーキャッシュフロー成長が持続可能と見ています。企業のIT予算において、セキュリティソフトウェアは「最も守備的な投資領域の一つ」とされており、モルガン・スタンレーのCIO調査でもその傾向が裏付けられています。
株価はすでに好材料を織り込み済みか
2025年初からの株価上昇率はナスダック総合指数(+7%)を大きく上回っており、好業績や市場の期待がすでに現在の株価に織り込まれている可能性が指摘されています。こうした背景から、同社株については今後の投資タイミングを慎重に見極める必要があるといえます。
*過去記事はこちら クラウドストライク CRWD