ロビンフッドが株式トークン提供開始、個人投資家の新時代到来か?

  • 2025年7月14日
  • 2025年7月14日
  • BS余話

2025年6月30日、米国の証券取引アプリを展開するロビンフッド・マーケッツ(HOOD)は、ブロックチェーン技術を活用した「トークン化株式」の提供を欧州で開始しました。これは、暗号資産のように24時間取引可能な新しい株式取引の形として注目されています。

トークン化株式とは何か

ロビンフッドが提供するトークン化株式は、未公開企業の株式価格に連動するデリバティブ(派生商品)です。たとえば、同社は今回のローンチに合わせて、オープンAIやスペースXといった非上場企業のトークンを顧客に無料配布するキャンペーンを実施しました。これにより、個人投資家も未公開企業に疑似的に投資できるようになります。

注目の高まりと懸念の声

このサービスにより、ヨーロッパで約15万人の資格を持つユーザーがトークン化株式にアクセス可能となりました。特に、過去1年間で未公開企業の評価額を表す「ユニコーン・インデックス」がS&P500の5倍以上のペースで上昇しているという背景もあり、注目度は高まっています。

一方で懸念も浮上しています。オープンAIは自社トークンの配布に関して「注意が必要」と公式に警告を発しました。また、ロビンフッドのEUでの主な規制当局であるリトアニア銀行からも質問状が届いており、透明性や適正な価格形成が問われています。

米証券取引委員会(SEC)の暗号資産タスクフォースを率いるヘスター・パース委員も、「トークン化によって法的性質が変わるわけではなく、証券法に従う必要がある」と強調しています。

ロビンフッドの狙いと今後の展開

ロビンフッドのCEOであるブラッド・テネフ氏は、「これらのトークンは技術的には株式ではないが、個人投資家に未公開企業へのエクスポージャーを与える」と説明しています。さらに同社は、将来的には数千社の未公開企業をトークン化し、米国市場でも提供する構想を描いているとのことです。

個人投資家の民主化は進むのか?

トークンを通じて未公開企業への投資機会が拡大することは、「個人と機関の格差をなくす」という観点では歓迎すべき動きです。しかし一方で、「デリバティブである以上、トークンは実際の株式価値を正確に反映できるのか」という根本的な課題も残されています。

分散型金融プラットフォーム「フィッショ・ラボ」のCEOであるジョナサン・シャッファー氏は、「トークンが本当にアクセス問題を解決しているのか、議論の余地がある」とコメントしています。

まとめ

ロビンフッドによるトークン化株式の提供は、伝統的な株式市場にブロックチェーン技術を取り入れる新たな試みとして注目されています。現時点では欧州限定のサービスですが、今後の規制動向や投資家の反応次第では、米国市場でも大きなインパクトを与える可能性があります。

ロビンフッドが掲げる「すべての投資家に平等なチャンスを」という理念が、現実のサービスとしてどう実現していくのか。引き続き注目が必要です。

*過去記事「スペースX・オープンAIも取引可能に!ロビンフッドが仕掛ける株式トークン化の衝撃

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