テスラやサークルも対象に?J.P.モルガンが「売り」推奨する注目の8銘柄とは?

米投資情報メディア「バロンズ(Barron’s)」は2025年7月14日付の記事で、J.P.モルガンが発表した注目のショート候補銘柄について紹介しています。通常は強気姿勢が目立つウォール街のアナリストですが、今回は珍しく明確な「弱気」姿勢を示しました。J.P.モルガンのアナリストは、構造的・戦術的に見て現在の株価水準が高すぎると判断し、「売り」または「ホールド」とする銘柄を40社以上リストアップ。その中から特に注目度の高い8銘柄をが今回の記事では取り上げられています。

テスラとリヴィアン:EVブームの限界を懸念

電気自動車大手のテスラ(TSLA)リヴィアン(RIVN)はともに「売り推奨」銘柄として名指しされています。テスラについては、依然として「マグニフィセント・セブン」の中でも高すぎるバリュエーションを指摘。さらに、EV補助金の削減やロボタクシー事業の失敗可能性、利益率の低下も懸念材料とされています。リヴィアンについても同様に、赤字縮小の努力が関税や補助金縮小で難航するとみられています。

サークル:IPO後の急騰も過熱感あり

ステーブルコイン大手のサークル・インターネット・グループ(CRCL)も意外なショート候補です。同社は2025年6月に上場したばかりで、J.P.モルガン自身が主幹事の一社でもありますが、現在の株価はIPO価格から500%以上の上昇を見せており、競争激化を背景に「割高」と評価されています。

インテル:反発もつかの間?

2025年に入ってから15%以上の上昇を見せている半導体大手インテル(INTC)ですが、J.P.モルガンのアナリストは依然として慎重な姿勢です。AIチップ分野でエヌビディア(NVDA)に大きく後れを取っており、パソコン・サーバー向け市場でもアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)にシェアを奪われつつあると指摘しています。

スナップとバンブル:メディア・SNS銘柄の厳しい現実

スナップ(SNAP)バンブル(BMBL)もリスト入りしています。スナップについては、ブランド広告主の支出が不安定で、実行力にも課題があるとされ、バンブルに関しては、オンライン・デーティング市場そのものが構造的に厳しい上に、同社はまだ再建途上にあると分析されています。

シェイク・シャックとチーズケーキ・ファクトリー:過熱気味の外食株

飲食業界からはシェイク・シャック(SHAK)チーズケーキ・ファクトリー(CAKE)が挙げられています。前者は店舗の客足維持に大規模なマーケティング費用が必要であり、後者は35%の株価上昇を受けて「すでに割高」と判断されています。特に、チーズケーキ・ファクトリーの営業利益率は「すでにピークに達している」と評されています。

市場最高値更新の裏で、冷静な目も必要に

S&P500指数などが過去最高値を更新する中で、過剰なバリュエーションや構造的な課題を抱える銘柄に対して、ショート戦略を取ることは一部の投資家にとって重要なリスク管理手段になります。今回紹介された8銘柄は、J.P.モルガンのレポートを通じて、そうした「市場の盲点」に光を当てた例と言えます。

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