シリコンバレーが夢中になるAIノートアプリ「Granola」とは?

  • 2025年7月13日
  • 2025年7月13日
  • BS余話

2025年7月12日に米テック系メディア「The Information」が報じたところによると、シリコンバレーで今もっとも注目を集めているAIノートアプリは「Granola(グラノーラ)」です。朝食のシリアルではなく、会話の自動記録と要約に特化したAIツールとして、スタートアップ経営者やベンチャーキャピタリストの間で急速に支持を集めています。

なぜGranolaが支持されているのか

Granolaは2024年5月に正式ローンチされたばかりの新興アプリですが、すでにライトスピード・ベンチャー・パートナーズなどから7,000万ドル以上の資金調達を受け、推定評価額は5億ドル近くに達しています。その人気の理由は、自然言語での検索機能や会話の自動要約、そして何よりも“目立たない存在感”にあります。

Granolaはユーザーのカレンダーと連携し、そこからミーティングに参加することで、自動的に会話をテキスト化してくれます。しかも録音は行われず、会話の参加者に対する通知も表示されないため、会話の流れを邪魔しません。この“気配のなさ”が多忙なビジネスパーソンのニーズに合致しています。

日本語にも対応

Granolaは英語だけでなく、日本語を含む複数の言語に対応しています。iPhoneアプリはデフォルトで対応しているほか、デスクトップアプリでは、言語設定を「日本語」に変更することで、日本語での会話もリアルタイムに文字起こし・要約が可能になります。海外製のAIツールでありながら、日本語話者にとっても実用的な選択肢となっている点も魅力のひとつです。

プライバシーに対する認識の変化

一方で、このようなツールの普及は、プライバシーに関する認識の変化をもたらしています。シリコンバレーでは、会話が自動的に記録されていることをもはや当然と考える人が多くなっており、Granolaを使う際に事前確認をしないことも珍しくありません。使用前に必ず相手に許可を取る人は、むしろ例外的な存在となっているようです。

多様なシーンで活躍するAIノート

GranolaのようなAIノートアプリは、ビジネスミーティングだけでなく、医師との診察、子どもの学校の面談、セラピーセッション、さらにはカンファレンスの記録など、多様なシーンで活用されています。会話を正確に残し、あとで簡単に内容を振り返ることができるため、情報整理や記憶の補完ツールとして重宝されています。

今後の課題と展望

Granolaの共同創業者であるサム・スティーブンソン氏とクリス・ペドレガル氏は、プロダクトの継続的な進化の必要性を強調しています。現在の機能に満足せず、さらに多くのことを自動化・最適化していく必要があるというのが彼らの認識です。一部の専門家からは、「Granolaは機能であり、単体のプロダクトとしての持続可能性には疑問がある」との指摘もあります。

しかし、今のところ同様のツールに関するトラブルや情報漏洩の事例は報告されておらず、ユーザーの信頼を得ているのが現状です。今後、競合の増加や法的整備が進む中で、Granolaがどこまで市場をリードできるのか注目されます。

おわりに

「The Information」の記事は、テック業界の中で急速に広がっているAIノートテイキング文化の今を的確に捉えています。Granolaのようなツールが当たり前になる中で、私たちはどのように会話を捉え、記録し、活用していくべきなのか——。そのヒントがこの記事には詰まっています。

興味のある方は、Granolaの公式サイトやモバイルアプリをチェックしてみてはいかがでしょうか。未来のメモのかたちは、すでに私たちの手の中にあるのかもしれません。

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