暗号資産市場の上昇が続く中、ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)の株価が一時の下落を跳ね返して最高値圏に再び浮上しています。ビットコイン(BTC)の連日の最高値更新が背景にあり、仮想通貨関連株全体が上昇を見せています。
フロリダ州による調査報道も株価に影響せず
フロリダ州の司法長官ジェームズ・ウスメイヤー氏が、ロビンフッドの子会社であるRobinhood Crypto LLCに対して、「不公正・欺瞞的商慣行法(Deceptive and Unfair Practices Act)」違反の疑いで調査を開始したと発表しました。同氏は、ロビンフッドが「最も安価に仮想通貨を取引できる」とする主張が誤解を招くと指摘しています。
これに対し、ロビンフッドの法務責任者ルーカス・モスコウィッツ氏は、「当社は取引の各段階で価格に関する情報を開示しており、平均して最も低コストで取引できる場所であることを誇りに思っている」と反論しています。
仮想通貨関連株の連れ高
株式市場全体が軟調に推移する中、仮想通貨関連の銘柄は上昇基調を維持しています。ロビンフッド株は、7月11日午前の取引で2.2%上昇し、3日続伸で再び最高値を目指しています。ビットコインはこの日1.7%上昇し、4営業日続伸。過去1年間のロビンフッド株とビットコインの相関係数は0.86と極めて高く、S&P500指数(SPX)との相関(0.66)よりも強い相関を示しています。
また、同じく仮想通貨関連のコインベース・グローバル(COIN)の株価は過去1年間でビットコインとの相関係数が0.71とされています。マイクロストラテジー(MSTR)は自社保有の約60万BTCの影響でビットコインとの相関が0.96とさらに高く、この日は一時3.4%上昇し、8カ月ぶりの高値に達しています。
中国企業も仮想通貨事業に参入
さらに注目されたのが中国拠点のマイクロクラウド・ホログラム(HOLO)です。同社は最大2億ドル相当のビットコインと暗号資産関連のデリバティブ証券を購入したと発表し、株価は一時23.2%急騰しました。これは仮想通貨市場への本格参入の一環とみられています。
同社は4月に1対40の株式併合を実施しており、ナスダック上場基準の維持を目指して株価水準を引き上げています。
今後の注目点
ロビンフッドの仮想通貨取引収益は、2025年第1四半期における取引収益全体の43.2%を占め、前年の38.3%から大きく伸びています。今後もビットコインの価格動向が、同社株価の先行指標として注目されそうです。
暗号資産市場の回復と連動するかたちで、関連企業の株価にも再び投資家の関心が集まりつつあります。引き続き、ロビンフッドとビットコインの動きには注視が必要です。
*過去記事「ロビンフッドが仕掛ける「24時間株式取引革命」とは?」