アマゾン株に買い判断相次ぐ、ウォール街が注目する2つの柱

2025年に入ってから冴えない値動きが続いていたアマゾン・ドット・コム(AMZN)の株価ですが、大手証券会社モルガン・スタンレーとJ.P.モルガンは7月11日、今後の成長に期待を寄せ、いずれも目標株価を引き上げました。

eコマースとAWSが成長ドライバーに

モルガン・スタンレーのアナリスト、ブライアン・ノワック氏は、アマゾン株の目標株価を従来の250ドルから300ドルに引き上げました。この数字は、2025年7月時点の株価水準(約226ドル)から33%の上昇余地を示しています。ノワック氏は、経済不安が続く中でもアマゾンがeコマース市場でシェアを拡大し、クラウド部門であるAWSが再び成長を加速できれば「大きな上昇余地がある」と述べています。

J.P.モルガンのダグ・アンマス氏も、目標株価を240ドルから255ドルに引き上げ、「オーバーウェイト(強気)」の投資判断を維持しました。アンマス氏は、世界のIT支出のうちクラウド化されているのはまだ10%程度にとどまっており、AWSの顧客基盤には拡大余地があると指摘しています。また、AWSと広告事業はアマゾンの中でも特に利益率が高く、今後のフリーキャッシュフローや利益率の拡大にもつながると見ています。

株価は市場平均を下回る動き

2025年に入ってからのアマゾン株の上昇率は2.3%にとどまり、S&P500種指数の6.3%を下回っています。市場では、消費者支出に対する関税の影響とクラウド収益の鈍化が懸念材料として挙げられています。アマゾンのクラウド部門は、2025年第1四半期に前年比17%の成長を記録しましたが、競合のマイクロソフトやアルファベットを下回る結果となりました。

関税については、アマゾンのCEOアンドリュー・ジャシー氏が5月の決算説明会で、「今のところ需要の減退は見られないが、一部のカテゴリでは関税の影響を見越した買いだめが確認されている」と発言しています。

成長ポテンシャルに注目集まる

最近のトランプ大統領による新たな貿易政策の発表など、外部環境の不確実性は続いていますが、モルガン・スタンレーはアマゾンの競争力を高く評価しています。ノワック氏は、「アマゾンの規模、購買者と販売者双方の優位性、物流体制、マーケットプレイスの構造により、同社は困難な局面でもシェアを拡大できるだろう」と述べています。

アマゾンは、2025年7月31日に第2四半期決算の発表を予定しています。eコマースとAWSの動向に加え、広告収入の成長にも注目が集まりそうです。

*過去記事はこちら アマゾン AMZN

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG