2025年第2四半期の決算発表を前に、ウォール街では人工知能(AI)関連銘柄への強気姿勢が強まっています。
エヌビディアは「業界標準」、185ドルの目標株価が提示される
ゴールドマン・サックスのアナリスト、ジェームズ・シュナイダー氏は、エヌビディア(NVDA)を「AI市場の半導体とソフトウェアの両分野を支配する『業界標準』」と位置づけ、同社の製品力とソフトウェア主導のAI戦略を評価しています。目標株価は185ドルとされ、「バリュエーションの魅力がパフォーマンス上昇につながる」と述べています。
ブロードコムやAMDにも注目が集まる
同じくAI半導体市場で存在感を高めるブロードコム(AVGO)については、買い推奨と315ドルの目標株価が提示されました。一方、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は中立評価ながら、株価目標は140ドルとされています。
マイクロソフトやマイクロンにも強気の見解
パイパー・サンドラーのブレント・ブラスリン氏は、マイクロソフト(MSFT)の目標株価を600ドルに引き上げ、ドイツ銀行はマイクロン・テクノロジー(MU)に対し150ドルの目標株価でカバレッジを開始しました。いずれもAI分野での収益成長期待が背景にあります。
メタの大型投資が注目される
メタ・プラットフォームズ(META)は、AI活用の一環として、アイウェア大手エシロールルックスオティカに35億ドルを出資。また、AI研究者の獲得や、データラベリング企業Scale AIへの143億ドルの出資も行い、AI戦略を加速させています。バンク・オブ・アメリカはこれらの投資がAI搭載のスマートグラス市場での成長に貢献すると分析しています。
S&P500をけん引するAI銘柄たち
バロンズは、S&P500の最近の5.2%の上昇のうち約半分が、エヌビディア、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、ブロードコム、アマゾン・ドット・コムの5社によるものであると指摘しています。これらの銘柄が2025年第2四半期決算でも好業績を示すことが期待されており、市場全体の動向を左右する重要な要素となりそうです。
AI投資の回収が焦点に
2024年にはAI分野で2350億ドルの資本支出が行われ、2028年には6300億ドル超に達する見込みです。今後は、こうした巨額投資がいかに収益に結びつくかが注目されます。ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は、マイクロソフトが最初に投資回収フェーズに入る可能性が高いと述べ、時価総額が今夏中に4兆ドル、18か月以内に5兆ドルに達する可能性に言及しています。
決算発表がAI相場の分水嶺に
AI関連銘柄は、今や市場全体の上昇を支える重要な柱となっています。今後の決算で、これらの企業が実際に収益化を進めているかどうかが問われる中、投資家の注目は一層集まっています。