再生可能エネルギーを手がけるAES(AES)の株価が、2025年7月9日の米国市場で前日比約20%の急騰となりました。ブルームバーグの報道によれば、同社は身売りを含む戦略的選択肢を検討中であるとされ、これが株価上昇の背景と見られています。
売却を検討する背景とは
報道によると、過去2年間で株価が半減したことを受け、大手プライベートエクイティ(PE)ファンドやインフラ投資家がAESに対する買収の可能性を探っている状況です。これを受けて投資家の思惑買いが集中し、同社株の9日の終値は19.78%高の13.26ドルとなりました。
AESの広報担当者は「市場のうわさにはコメントしない」とバロンズの取材に対して回答しており、現時点で正式な売却交渉や買収提案が明らかになっているわけではありません。
再生可能エネルギー事業の現状
AESは近年、マイクロソフト(MSFT)やグーグル親会社のアルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)などのビッグテック企業に対して、データセンター向けに再生可能エネルギーを供給する契約を締結してきました。一方で、トランプ大統領によるクリーンエネルギー税制優遇措置の見直しが進む中、収益の減少と政策不透明感により株価は低迷していました。
今後の注目点
市場では、インフラ資産に強い関心を持つ投資家の間で、AESのような再生可能エネルギー企業が再評価される可能性があります。実際、脱炭素社会への転換を背景に、電力企業の再編やPEファンドによる買収が相次いでいます。AESの今後の動きは、エネルギー株全体のセンチメントにも影響を与えるかもしれません。
今後、AESから正式な発表があるかどうかに注目が集まります。市場がどのように反応するかを見守る必要がありそうです。