エヌビディア株に再なる上昇余地、シティが目標株価を190ドルに引き上げ

米シティリサーチのアナリスト、アティフ・マリク氏は2025年7月7日、エヌビディア(NVDA)の目標株価を180ドルから190ドルに引き上げました。7日現在の株価から約20%の上昇余地があると見ており、AI(人工知能)関連の市場拡大がその背景にあります。

データセンターAI市場は2028年に5,630億ドル規模に

マリク氏によると、エヌビディアが主力とするデータセンター向けAIチップの市場規模は、2028年までに5,630億ドルに達すると予想されています。これは従来予測の5,000億ドルを上回る数字であり、AIインフラへの需要が拡大していることを示しています。

ソブリンAIの成長が追い風に

「ソブリンAI」とは各国が独自にAIインフラを構築する動きのことを指します。マリク氏は、2025年だけでもこの分野がエヌビディアの売上に「数十億ドル規模」の貢献をもたらす可能性があると指摘しています。さらに、来年以降はビジネス構成比としても重要性を増すと見られています。

ブラックウェル世代の製品が収益性を押し上げる見込み

エヌビディアは、新しい「ブラックウェル」アーキテクチャへの移行に伴う初期の課題を乗り越えつつあり、今後は調整後の粗利益率を再び70%台半ばにまで回復させる見通しです。マリク氏は、エヌビディアがGB200の立ち上げに続き、次世代のGB300にも強い期待を寄せている点に注目しています。

東南アジアへの輸出規制がリスク要因に

一方で、マリク氏はリスクとして、トランプ大統領による新たな輸出規制の可能性を挙げています。ブルームバーグの報道によれば、米国政府は中国への先端チップの流出を防ぐため、マレーシアやタイへの輸出を制限する方針を検討中です。これが実施されれば、エヌビディアにとっては一定のリスクとなる可能性があります。

ただし、シティのチームはエヌビディアが自社製GPUの流通経路を把握できる手段を持っているとし、リスクは限定的であるとの見解を示しています。

株価は一時下落も、中長期的な見通しは明るい

7日の米国市場でエヌビディアの株価は前日比で0.62%下落し、終値は158.24ドルでした。時価総額は約3.89兆ドルとなっており、4兆ドルの大台にはわずかに届いていません。

それでも、シティによる目標株価引き上げは、AIインフラ市場での圧倒的な存在感を背景に、今後の株価上昇を示唆するものといえます。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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