7月7日(月)の米国株式市場は週明けから軟調なスタートとなりました。ドナルド・トランプ前大統領が新たな関税導入を発表し、主要銘柄に売りが広がったことが背景です。7月1日から発効予定の新関税により、特定国からの輸入品に対して25%から最大40%の関税が課される見通しです。この発表により、S&P500やNASDAQを中心に主要株価指数は全面安となりました。
以下は、7日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
WNS (WNS)
株価変動: +14.26%
詳細: WNSは、ビジネスプロセス管理(BPM)とデジタル業務支援サービスを提供する企業です。フランスのITコンサルティング大手キャップジェミニが、WNSを1株76.50ドル、総額33億ドルで買収することを発表。買収価格は前週の終値に対して約17%のプレミアムとなり、株価は急騰しました。
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ネットフリックス (NFLX)
株価変動: -0.58%
詳細: ネットフリックスは世界最大級のストリーミング配信企業です。シーポート・リサーチが投資判断を「買い」から「中立」へ格下げし、広告やコンテンツ戦略の実行に時間を要するとの見方が示されました。これを受け、株価はやや下落しました。
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エヌビディア (NVDA)
株価変動: -0.69%
詳細: エヌビディアは、AI処理やゲーム向けのGPUを製造する半導体企業です。前週には過去最高値を記録しましたが、週明けは調整売りが優勢となり、小幅下落しました。
コアウィーブ (CRWV)
株価変動: -3.33%
詳細: コアウィーブはAI・HPC向けのクラウドインフラを提供する米企業です。コアサイエンティフィックの買収発表後、大規模な資本支出と統合リスクを嫌気した売りが入り、株価は下落しました。
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モリナ・ヘルスケア (MOH)
株価変動: -2.91%
詳細: モリナ・ヘルスケアは米国で低所得者向けに医療保険サービスを提供する企業です。医療費の上昇を受けて、調整後EPSを21.50〜22.50ドルへ下方修正。今後のコスト圧力も予想される中で、株価は下落しました。
シェル (SHEL)
株価変動: -2.92%
詳細: シェルは世界的なエネルギー企業で、石油・ガスの採掘から販売までを行います。原油価格の変動により、ガストレーディング部門の収益が前四半期から減少する見通しとなり、投資家の懸念が広がりました。
ロイヤル・ゴールド (RGLD)
株価変動: -6.44%
詳細: ロイヤル・ゴールドは貴金属分野に特化したロイヤルティおよびストリーミング企業です。サンドストーム・ゴールドとホライゾン・カッパーの買収を合計37億ドルで発表したことにより、買収コストや財務リスクを懸念した投資家による売りが広がりました。
テスラ (TSLA)
株価変動: -6.79%
詳細: テスラは電気自動車および再生可能エネルギー製品の大手メーカーです。イーロン・マスクCEOが新たに「アメリカ党」の設立を発表し、政治活動に再関与する意向を示したことで、市場の不確実性が高まり、株価は大きく下落しました。
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コアサイエンティフィック (CORZ)
株価変動: -17.61%
詳細: コアサイエンティフィックは、ブロックチェーンとAI処理向けのインフラを提供するデータセンター企業です。クラウドレンタル企業コアウィーブによる約90億ドルの買収発表があったものの、提示された買収価格が期待を下回り、株価は急落しました。
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*過去記事 株価変動