ストリーミング広告市場をリードする成長株、トレードデスク

2025年5月、ストリーミングの視聴時間が、ついに放送テレビとケーブルテレビの合計を上回りました。この変化は長年にわたるトレンドの延長であり、過去4年間でストリーミングの視聴時間は71%増加。一方、放送テレビとケーブルテレビはそれぞれ21%、39%減少しています。

こうした視聴行動の劇的な変化のなかで、投資家が注目すべきは「誰がこの流れで最も恩恵を受けるのか」という点です。その有力な候補の一つが、トレードデスク(TTD)です。

トレードデスクとはどのような企業か

トレードデスクは、DSP(Demand Side Platform)と呼ばれる広告購入ソフトウェアを提供しています。DSPは、クライアントに代わってリアルタイムでプログラマティック広告を入札・配信する仕組みを持っています。

具体的には、ウェブサイトやストリーミングサービス、SNSなどが広告枠を売り出すと、入札リクエストが発行されます。それに対してDSPが、あらかじめ設定された広告キャンペーンの条件に基づいて即座に入札を行い、勝てばその広告が配信されます。トレードデスクはこのプロセスに豊富なデータ分析と可視化ツールを組み合わせ、広告主に大きな価値を提供しています。

拡大するプログラマティック広告市場

現在、デジタル広告の91%、そして世界全体の広告の56%以上がプログラマティック広告となっており、その市場は急速に成長しています。2025年には、世界の広告支出が1兆ドルに達する見込みです。米国だけでも、プログラマティック広告の支出は2,990億ドルに達すると予想されており、数年以内には4,140億ドルまで拡大するとの見通しです。

この拡大する市場の中心で、トレードデスクは大きな成長機会を手にしています。

株価下落は過剰反応か

2024年第4四半期、トレードデスクは8年ぶりにアナリスト予想を下回る決算を発表し、株価が下落しました。しかし、この売りは過剰だったといえます。

実際、株価は過去5年平均と比較して売上高倍率(PSR)が82%も低い水準にまで落ち込んでおり、将来の売上を基にした予想PSRは13倍以下と割安です。市場は同社をまるで苦境にある企業のように評価していますが、実態はまったく異なります。

第4四半期の売上は前年比22%増の7億4,100万ドル、年間では26%増の24億ドルを記録しました。その後の2025年第1四半期には、売上成長率が25%に加速し、6億1,600万ドルに到達。営業利益も前年の2,870万ドルから5,450万ドルへと倍増しました。

健全な財務体質も魅力

トレードデスクは財務面でも非常に健全です。現金および投資資産は17億ドル、流動資産全体は49億ドル、対する流動負債は27億ドルにとどまります。また、2025年第1四半期には、自社株を3億8,600万ドル分買い戻しており、株主価値の向上に努めています。

今こそ注目したい成長株

トレードデスクは、ストリーミングへの視聴移行というメガトレンドの最前線にいる企業です。拡大を続けるプログラマティック広告市場の成長とともに、同社の業績もさらに伸びていくと期待されます。

また、現在の株価は割安感があり、中長期の投資対象として魅力的です。今後も視聴者の流れがテレビからストリーミングへと進む中で、広告費も移動していくことは避けられません。その恩恵を大きく受ける企業の一つが、まさにトレードデスクなのです。

*過去記事はこちら トレードデスク TTD

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