ロビンフッドが仕掛ける「24時間株式取引革命」とは?

  • 2025年7月5日
  • 2025年7月5日
  • BS余話

2025年7月、オンライン証券会社ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)は、米国株と未公開企業株をトークン化し、手数料ゼロで取引できる新サービスを発表しました。このサービスは、イーサリアムのレイヤー2ブロックチェーン「Arbitrum(アービトラム)」上に構築されており、24時間365日、ほぼ即時での決済を可能にします。

ビットワイズのCIO、ロビンフッドに強気の見方

資産運用会社ビットワイズの最高投資責任者(CIO)であるマット・ホーガン氏は、今回の発表について「市場の未来を示す重要なサイン」と評価し、ロビンフッドに対して強気の見解を示しました。

ホーガン氏は2024年9月に仮想通貨市場の上昇を予測し、その後、トランプ大統領の再選によって本当に上昇が始まったことでも知られています。氏は現在の株式市場の取引時間を「毎晩停止するメールシステムのようだ」と例え、現代にふさわしい常時稼働の取引システムの必要性を強調しました。

ブロックチェーンで実現する、年中無休の株式取引

ロビンフッドが採用したアービトラムは、イーサリアムネットワーク上のレイヤー2ソリューションであり、処理速度とコスト効率に優れています。ホーガン氏はこの選択について、「世界に向けて明確なメッセージを発している」と述べました。

従来の証券取引モデルでは、取引時間や決済に制限がありましたが、ブロックチェーン技術を活用することで、迅速な決済と柔軟な取引時間が実現されます。

イーサリアムとアービトラムにとっての追い風

ホーガン氏は、ロビンフッドがパブリックチェーンであるアービトラムを選んだことにより、イーサリアムとアービトラム双方に対する関心が高まると予想しています。

この動きによって、個人投資家だけでなく機関投資家も、オンチェーン資産や分散型アプリケーション(DApps)への関与を深めるきっかけになると見られています。

トークン化証券の時代が到来

2年前であれば、米国の大手証券会社が「上場企業および非上場企業の株式をトークン化し、24時間365日取引可能にする」と発表すれば、すぐに証券取引委員会(SEC)から法的措置を受けたかもしれません。

しかし現在では、そのような構想が現実のものとなりつつあります。ホーガン氏は、「今後数年で、市場が従来の決済モデルからトークン化証券へ急速に移行したことに、多くの人が驚くはずだ」と語っています。

機関投資家の参入も時間の問題

現時点では、ロビンフッドのトークン化株式は米国の個人投資家には提供されていませんが、この発表は市場の大きな方向性を示しています。

将来的には、機関投資家もオンチェーン市場に参加し、新たな流動性を活用するようになると期待されます。トークン化によって、より迅速な執行、カウンターパーティリスクの軽減、そして伝統的な金融とデジタル資産を結ぶシームレスなインフラが実現されると考えられています。

ロビンフッドがこの分野で先陣を切ることで、株式市場の構造そのものが変化し、ブロックチェーンが次世代の取引基盤となる可能性が高まっています。

*過去記事「米国新法案で投資革命!ロビンフッドが描く「全新生児が株主」の時代

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