2025年6月30日の米国株式市場で、データ解析企業パランティア・テクノロジーズ(PLTR)の株価が5%近く上昇しました。前週金曜日にはS&P500構成銘柄の中で最も値を下げて終えたばかりでしたが、今回は大手コンサルティング企業アクセンチュア(ACN)との戦略的パートナーシップ発表が好感され、株価は反発しています。
アクセンチュア連邦サービスとの提携でAI人材育成を強化
今回の提携では、アクセンチュアの政府向け部門であるアクセンチュア連邦サービスが、約1,000人規模のデータ&AIチームに対してパランティアのAIプラットフォームを活用したトレーニングを実施します。対象となるのは、同社の主力製品である人工知能プラットフォーム(AIP)などです。
この連携は、政府機関向けにAIやデータ分析機能の導入を推進するもので、パランティアのソリューションがより広範な公共機関に浸透する契機となる可能性があります。
ラッセル1000への採用とラッセル2000からの売却圧力
株価上昇には、年に一度の「ラッセル1000指数」の再構成も影響しています。2025年6月27日の取引終了後に新構成が発効し、パランティアは中小型株を中心とするラッセル2000から、時価総額上位のラッセル1000に移行しました。
この結果、ラッセル2000に連動するETFやファンドがパランティア株を売却する一方、ラッセル1000に連動する資金が買いを入れる形となりました。前週の急落は売却圧力によるもので、今回の上昇はその反動と見ることもできます。
S&P500指数の四半期リバランスも影響
さらに、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、S&P500の四半期ごとのリバランスを6月30日に実施しました。パランティアはすでに2024年9月23日から同指数の構成銘柄となっていますが、今回のリバランスでは発行済み株式数や浮動株比率に基づくウエイトの見直しが行われました。
この再調整により、一部のパッシブファンドによる売却が生じ、株価に一時的な下押し圧力がかかる場面もありました。
株価は年初来で82%上昇、記録的高値更新後に反落
パランティア株は2025年6月27日に一時148.22ドルの過去最高値を記録しましたが、その直後に急反落し、同日の終値は9.4%安となりました。それでも年初来の上昇率は82%に達しており、S&P500採用以降では約269%の上昇と驚異的なパフォーマンスを示しています。
今後は、AIや国防関連の大型契約獲得が継続できるかどうかが注目され、同社の高い株価バリュエーションを正当化する材料が求められる局面に入っています。
*過去記事はこちら パランティア PLTR