水素関連株が急騰!共和党税制案でプラグ・パワーに追い風

  • 2025年7月1日
  • 2025年7月1日
  • BS余話

2025年6月末に公表された共和党の新たな税制改正案により、水素産業が思わぬ恩恵を受ける形となりました。上院による最新の修正案では、水素産業向けの税額控除が2028年1月1日まで延長され、前回案よりも2年間長く適用されることになります。

プラグ・パワーとブルーム・エナジーの株価が急上昇

米国で最大のクリーン水素専業企業であるプラグ・パワー(PLUG)の株価は、この報道を受けて6月30日の取引開始直後に10%上昇し、最終的には28.45%高となりました。また、水素でも稼働可能な燃料電池を開発しているブルーム・エナジー(BE)も7.84%上昇しています。

石油大手も支持、水素に意外な追い風

水素への政治的な支持は、予想外の業界からも集まっています。エクソンモービル(XOM)のような石油会社や製造業者は、クリーン水素に対する税額控除の延長を積極的にロビー活動してきました。エクソンモービルも将来的なクリーンエネルギー源として水素の開発に取り組んでおり、この分野への投資を拡大しています。

インフレ削減法による後押し

2022年に成立したインフレ削減法では、再生可能エネルギーを活用した水素製造(グリーン水素)や、二酸化炭素を回収・貯蔵する製造プロセス(ブルー水素)に対する税制優遇措置が導入されました。これにより、水素の製造方法のクリーン化が加速しつつあります。

プラグ・パワーの現状と課題

プラグ・パワーはジョージア州やルイジアナ州に水素プラントを建設し、ウォルマートなどの企業に水素を供給しています。しかし、現在のところ需要は限定的で、同社は継続的に赤字を計上しています。2024年から2025年にかけて株価は49%下落し、直近の株価は1.16ドルとなっています。

ブルーム・エナジーの柔軟性と将来性

ブルーム・エナジーの燃料電池は天然ガスまたは水素のいずれでも稼働可能です。現在のところ、多くの顧客が天然ガスを使用していますが、水素のコストが下がれば切り替える動きが進む可能性があります。

その他の注目企業:エアプロダクツとエア・リキード

水素関連企業としては、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(APD)エア・リキードも存在感を示しています。これらの企業もクリーン水素の製造に注力しており、業界全体で脱炭素化への対応が進んでいます。

今後の見通し

水素は、工場のエネルギー源や車両の燃料としての活用が期待される一方で、依然として多くは天然ガスから製造されており、環境負荷が大きいのが現状です。しかし、政策面での後押しが継続すれば、再生可能エネルギーを活用した水素の普及が進み、業界全体の転換点となる可能性があります。

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