2025年6月30日、米エンターテインメント大手のウォルト・ディズニー(DIS)の株価が前週末比で1.4%上昇しました。米証券会社ジェフリーズが同社株を「ホールド」から「買い」に格上げし、目標株価を100ドルから144ドルに引き上げたことが背景にあります。これは、6月28日の終値122.34ドルから約17%の上昇余地があることを意味します。
約10年ぶりの利益成長へ、構造的転換を評価
ジェフリーズのアナリスト、エド・アルター氏は、ウォルト・ディズニーの営業利益が次の会計年度に10%成長すると予測しています。2016年以降、リニアTV(従来型テレビ)の衰退やストリーミング部門の赤字などで成長が停滞してきましたが、この流れが変わるとみています。
経験型事業が成長ドライバーに
同社の「エクスペリエンス部門(テーマパークやクルーズ事業)」に対する見通しも強気です。今後、新たに2隻のクルーズ船が就航予定であるほか、NBCユニバーサルを傘下に持つコムキャスト(CMCSA)が開業した新テーマパーク「エピック・ユニバース」が、フロリダ中部の観光全体にプラスの影響を与えると指摘しています。これにより、ウォルト・ディズニーのフロリダ拠点への来場者数も増加すると期待されています。
ストリーミング部門も黒字化へ
ウォルト・ディズニーの「ダイレクト・トゥ・コンシューマー(DTC)」事業、すなわちストリーミング部門の利益率についても、現在の0%から2028年度末までに13%まで改善すると予想されています。人気ドラマ『ザ・ベア』や、映画『ファンタスティック・フォー』『ズートピア2』『アバター3』といった新作の配信が、収益拡大に貢献する見通しです。
株価上昇の背景には強い成長シナリオ
ウォルト・ディズニー株は2025年に入り約10%上昇しています。今回の格上げと目標株価の引き上げは、業績回復に対する期待の高まりを反映しています。株価の堅調な推移とともに、長期的な収益改善への道筋が見えてきたことで、投資家からの関心も一段と高まりそうです。
*過去記事はこちら「ディズニー DIS」