米国のデータ分析ソフトウェア企業、パランティア・テクノロジーズ（PLTR）の株価が2025年6月26日の米国市場で再び最高値を更新しました。投資家の間で強い強気ムードが広がっており、人工知能（AI）を活用した成長ストーリーに期待が高まっています。
原子力企業との戦略的提携を発表
パランティアは26日、原子力発電を手がける企業「ザ・ニュークリア・カンパニー」と戦略的パートナーシップを締結したと発表しました。両社は、原子炉向けに設計されたAI主導のソフトウェアシステムを共同開発するとしています。
このニュースを受けて、パランティアの株価は前日比0.94%高の144.25ドルで26日の取引を終えました。前日25日に記録した過去最高値の143.23ドルを再び上回り、終値ベースでの過去最高値を更新しています。
年初来で91%上昇、過熱感も意に介さず
2025年に入ってからパランティアの株価はすでに91%上昇しており、2022年後半から続くAI関連株ブームの中心銘柄となっています。現在の株価は、2025年の予想利益に対して246倍という極めて高い水準に達していますが、今のところ投資家の買い意欲は衰えていません。
この過熱ともいえるバリュエーションに対して一部のアナリストは慎重な姿勢を示していますが、市場全体のリスク選好の高さが、しばらくは株価の支えとなりそうです。
金利低下期待とテック株の追い風
米ナスダック100指数は新たな最高値を記録し、S&P500指数もそれに続く勢いを見せています。中東情勢の緊迫やその他の地政学的リスクも市場の楽観ムードを抑えるには至っていません。
さらに、米連邦準備制度理事会（FRB）が今後利下げに踏み切るとの観測が強まりつつあり、これは成長株、特にAIを軸にしたテクノロジー企業にとっては大きな追い風となります。
今後も注目されるパランティアの動向
今後の業績やAI分野での実用的な成果が伴えば、現在の株価水準を正当化するだけの成長が見込まれる可能性があります。原子力という新たな領域との連携により、パランティアは従来の政府向けサービスや商業分野に加え、エネルギーインフラ市場への影響力も強めていくとみられます。
今後もパランティアの動きは、AIとエネルギーの融合という新たな市場の行方を示すバロメーターとして注目が集まりそうです。
＊過去記事はこちら パランティア PLTR