AI覇権争いで明暗くっきり!マグニフィセント・セブン株の勝者と敗者

2025年も、生成AIやAIエージェントがテクノロジー業界の中心的テーマとなっています。その影響は株式市場にも広がり、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる米大手テック企業の株価に明確な差が生じています。

AI市場は急成長中、投資家の注目集まる

IDCによると、2024年のAI関連支出は2,350億ドルに達し、2028年には6,300億ドルを超える見通しです。バンク・オブ・アメリカは、タスク自動化に特化したAIエージェント市場が2030年までに1,550億ドルに達すると予測しています。さらに、ブルームバーグ・インテリジェンスは生成AI市場が2033年までに1.3兆ドルに拡大すると見込んでいます。

こうした成長を見越し、大手テック企業はデータセンターの整備やAIモデルの開発に巨額の投資を進めています。投資家は、これらの企業の中から真の勝者を見極めようとしています。

パフォーマンスで差がつくマグニフィセント・セブン

マグニフィセント・セブン全体では、年初来の株価が0.6%下落しており、S&P500種指数(SPX)の3.6%上昇やナスダック総合指数(COMP)の3.4%上昇に後れを取っています。ただし、これは一律の低迷ではなく、AI分野で成果を上げる企業とそうでない企業の差が明確になった結果です。

エヌビディア(NVDA)は年初から15%上昇し、4月初旬の安値からは65%以上も回復。AI半導体のリーダーとして、現在の時価総額は3.8兆ドルを超え、米国株市場で最も価値の高い企業となっています。

マイクロソフト(MSFT)も年初来17%の上昇を記録し、メタ・プラットフォームズ(META)は21%上昇するなど、AI分野での競争力を反映した堅調な値動きを見せています。

一方、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、アップル(AAPL)、テスラ(TSLA)は軒並み年初来で下落。AI製品の開発が遅れている企業や、成長が鈍化している既存事業を抱える企業は投資家から見放されつつあります。

エヌビディアが市場を牽引

エヌビディアは株価だけでなく、S&P500全体の利益成長においても大きな影響を与えています。リソルツ・ウェルス・マネジメントのジョシュ・ブラウン氏によれば、2025年のS&P500の利益成長のうち、約17%がエヌビディアによるものとされています。

LSEGのデータによると、S&P500の一株利益(EPS)は今年8.4%増の263.42ドルと予測されています。一方、エヌビディアは2026年1月期のEPSが4.16ドルと見込まれ、前年比で39%の成長。2025年第2四半期も前年比で45%増の0.99ドルが予想されており、S&P500の情報技術セクター(17%)や全体(5.7%)と比べても圧倒的な成長を見せています。

MJPウェルス・アドバイザーズの最高投資責任者、ブライアン・ベンディグ氏は「エヌビディアの株価は再び高水準にあるが、AIブームは続いており、同社や関連企業には引き続き追い風が吹く」と分析しています。

他の有力企業もAIで勝負をかける

メタ・プラットフォームズは、広告ビジネスと新たにリリースした「Meta AI」アプリによる収益化を進めており、2025年には約720億ドルの設備投資を予定しています。UBSのアナリスト、スティーブン・ジュ氏は、メタの目標株価を129ドル引き上げ、812ドルに設定しました。

また、マイクロソフトも「Copilot」やクラウドサービス「Azure」の収益化が本格化。ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は、同社の目標株価を85ドル引き上げ、600ドルに修正しました。

AIは2025年後半も主役に

バンク・オブ・アメリカのアナリスト、ケムント・オンゲラ氏は「企業はAI機能を自社製品に積極的に取り入れ、AIエージェントの開発にも力を入れている。2025年後半もAIは市場の主役となる」と述べています。

生成AIやAIエージェントを事業の中核に据える企業が、今後のテック市場で成長を牽引していくとみられます。投資家は、こうした動きを見極めながら、AI時代の勝者を選ぶ局面に入っています。

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