アマゾン株が再加速!J.P.モルガンが「ベストアイデア」と評価した3つの理由

米国テック株の中でも、アマゾン(AMZN)のパフォーマンスがこのところ、ひときわ際立っています。J.P.モルガンのアナリスト、ダグ・アンマス氏は最新のレポートで、アマゾン株を「ベストアイデア」と位置づけ、今後の成長を支える3つの“見落とされがちな強み”を挙げています。

地域最適化された物流ネットワークが効率性を向上

アマゾンは、従来の全国一元管理型の物流から、地域ごとに最適化された分散型モデルへの転換を進めています。これにより、注文はより近隣の倉庫から発送され、配送距離とコストの削減に繋がっています。

この戦略の成果として、2024年には90億個以上の荷物を即日または翌日に配送することに成功。第1四半期には出荷単位数が前年比8%増加した一方で、配送コストの増加はわずか3%にとどまりました。

現在、米国内に約600カ所ある小型配送ステーションを、将来的には1,000カ所にまで増やす計画も進行中です。これによりさらなるコスト効率の改善が見込まれています。

ロボティクスと生成AIが物流を革新

アマゾンの次世代物流拠点では、倉庫作業・仕分け・ラストマイル配送を一体化した運用が行われており、これにより処理時間を最大25%短縮。繁忙期のコスト削減にも寄与しています。

同社はこの新型施設を既存の物流センターにも順次導入中で、生成AIによる配送ルートの最適化や需要予測の高度化、人間の言語を理解するロボットの開発など、さらなる効率化にも取り組んでいます。

LaaSで新たな収益源を開拓

アマゾンは自社の物流インフラを、外部企業にも提供する「ロジスティクス・アズ・ア・サービス(LaaS)」の展開を本格化しています。このモデルは、クラウド事業(AWS)での成功を彷彿とさせる戦略です。

実際、アマゾンはすでにラストマイル配送においてUPSと並ぶ規模に成長しており、今後の収益拡大が期待されます。

株価動向とアナリストの評価

アマゾンの株価は6月だけで約14%上昇し、S&P500を大きく上回るパフォーマンスを記録。背景には、広告事業とクラウド事業(AWS)の好調があります。2025年第一四半期では、AWSの売上が前年比17%増、広告売上が19%増と大幅に成長しました。

J.P.モルガンは、アマゾンの目標株価を2025年12月までに240ドルと設定。現在の株価(約217ドル)からは20%以上の上昇余地があると見ています。また、Yahoo Financeによると、アナリストの評価も「ストロング・バイ(強い買い)」が多数派です。

今後の注目点とリスク要因

一方で、リスクも存在します。米国の関税政策の不透明感は引き続き投資家心理に影響を与えており、競合のウォルマートも同様の物流戦略を推進中です。地域最適化やロボティクスの導入には多額の初期投資が必要であり、成果が表れるまでに時間を要する可能性もあります。

アマゾンは今週、即日・翌日配送サービスを米国内の4,000以上の地方エリアへ拡大する計画を発表しました。これには、2026年までに配送ネットワークを3倍に拡充するための40億ドルの投資が含まれます。

なお、競合のウォルマートはすでに即日配送で米国人口の93%をカバーしており、2025年末には95%に達すると見られています。

次回の四半期決算は8月に予定されており、アマゾンのコスト管理能力と成長戦略の進捗が注目されます。

*過去記事「アマゾン、AIで企業人員削減へ──ジャシーCEOが語った未来の働き方

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