人工知能(AI)ブームが続く中、エヌビディア(NVDA)の株価は2023年と2024年にかけて急騰してきました。米調査会社ループキャピタルは、同社のAI関連事業が今後さらに拡大すると見ており、時価総額が現在の3.76兆ドルから6兆ドルへと60%上昇する可能性があると予測しています。
ループキャピタルが目標株価を250ドルに引き上げ
ループキャピタルのアナリスト、アナンダ・バルア氏は、「生成AIの次なる『黄金の波』が到来しており、エヌビディアはその最前線にいる」と述べています。バルア氏は2月25日、同社の目標株価をこれまでの175ドルから250ドルへと大幅に引き上げ、ウォール街でも最高水準の評価を示しました。
現在の市場平均予想は約173ドルであり、250ドルという数字はこれより約44%高い破格のものです。
エヌビディアは依然として「事実上の独占企業」
バルア氏は、エヌビディアがAI向け高性能チップ市場において事実上の独占状態にあり、価格決定力と高い利益率を維持していることを強調しました。
「現在の水準からさらに業績を拡大できるのか疑問を持つ人もいるかもしれないが、当社の分析では『数字がすべてを物語っている』という結論に至っている」と述べています。
生成AIインフラ投資、今後数年で2兆ドルに拡大か
2024年だけで株価が170%以上上昇したエヌビディアですが、その背景にはマイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)、アルファベット(GOOGL)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)といった巨大テック企業によるAIインフラ投資があります。
これらの企業は、ChatGPTの登場以降、データセンターでの生成AI対応を加速しており、高性能GPUの需要をけん引しています。2025年以降もこの投資トレンドは継続するとの見方が強く、バルア氏は2028年までにAI計算能力への総投資額が約2兆ドルに達すると予測しています。
エヌビディアの成長ポテンシャルは現実的なシナリオ
一部ではAIバブルを懸念する声もありますが、直近の決算や顧客企業の投資姿勢を踏まえると、エヌビディアの成長はまだ初期段階にあるとも考えられます。AI分野における技術的優位性と市場支配力を背景に、同社の株価と企業価値がさらに上昇する可能性は十分にあると見られます。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA