カーニバル株が9%急騰!好決算と原油安でクルーズ株に追い風

  • 2025年6月25日
  • 2025年6月25日
  • BS余話

2025年6月24日、カーニバル(CCL)の株価が約9%上昇しました。好調な決算内容と原油価格の急落が投資家心理を押し上げた形です。同社は通期の利益見通しを引き上げ、旅行需要の堅調さを強調しました。

カーニバルは、アメリカ・マイアミに本社を置く世界最大級のクルーズ運航会社で、「カーニバル・クルーズ・ライン」や「プリンセス・クルーズ」など複数のブランドを展開しています。観光・レジャー分野のグローバル企業として、北米、欧州、アジアを中心に広範な航路網を有しています。

通期の利益見通しを引き上げ、業績も市場予想を上回る

カーニバルは2025年度の1株当たり利益(EPS)の見通しを、3月時点の1.83ドルから1.97ドルに上方修正しました。第2四半期の調整後EPSは35セントと、アナリスト予想の25セントを上回りました。売上は63億3000万ドルとなり、第2四半期としては過去最高を記録し、市場予想の62億1000万ドルを超えました。

2026年の予約も堅調、価格は歴史的高水準に

業績だけでなく、先行予約の状況も投資家を安心させました。カーニバルは2026年の予約が、記録的だった2025年と同等水準であり、価格も「歴史的に高い」と説明しています。CEOのジョシュ・ワインスタイン氏は「第2四半期の直前需要と船内消費が非常に強く、予約のタイミングはこれまでで最も早い」と述べました。

原油価格の下落がクルーズ株に追い風

決算発表前の時間外取引では、カーニバルの株価は3%上昇していました。これは、イランとイスラエル間の停戦合意を受けて原油価格が4.5%下落したことが背景にあります。決算発表後、カーニバルの株価はさらに上昇し、9.8%高の26.4ドルで取引されています(米国東部夏時間10:50現在)。

この動きに連動して、ロイヤル・カリビアン(RCL)の株価は3%上昇し、ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)は6.3%上昇しました。

需要懸念を払拭する力強いメッセージ

カーニバルの決算とコメントは、市場が抱いていた「旅行需要が減退しているのではないか」という懸念を打ち消す内容でした。ワインスタイン氏は「当社の強い業績、予約状況、そして見通しは、利益率の高い収益成長という戦略の成功を示すもの」と述べ、「2026年以降に向けても、さらなる成長の可能性がある」と付け加えています。

株価は急落から反発、今後の展望は明るく

2025年3月、カーニバルは好調な第1四半期決算を発表し、通期見通しを引き上げましたが、市場は需要の減退を懸念し、株価は1月末の約29ドルから4月初旬には15ドル台まで48%下落しました。

それでも現在、同社株は反発しており、ロイヤル・カリビアンやノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングスとともに、過去1カ月でいずれも10%以上上昇しています。燃料価格と中東情勢といった短期的リスクが和らぎつつある中、クルーズ業界全体の見通しは明るさを取り戻しつつあります。

*過去記事「トランプ関税の余波?外国人観光客が激減、米国旅行関連株に迫る危機

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