ブロードコム株は今が買い時?AI特化型ASIC需要に強気なHSBCの分析

2025年、半導体大手ブロードコム(AVGO)の株価が堅調に推移する中、英HSBCは同社株の投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を大幅に上方修正しました。アナリストのフランク・リー氏は、同社のAI向けカスタムチップ(ASIC)の売上が市場予想を上回る可能性が高いと指摘しています。

AI ASIC市場での優位性が評価される

ブロードコムはネットワーク機器、ブロードバンド、サーバーストレージ、ワイヤレス、産業向けなど幅広い分野で半導体を提供しています。中でも、AI向けのアプリケーション特化型集積回路(ASIC)市場ではリーダー的存在となっており、大手テクノロジー企業のカスタムAIチップ設計を支援しています。

リー氏は「今後のASICプロジェクトの見通しが明確になったことで、平均販売価格(ASP)においても価格決定力がある」と述べており、この点がブロードコムの成長を後押しすると見ています。

AI需要の拡大と顧客基盤の拡充に期待

HSBCは、AI向けカスタムチップ市場の拡大が続く中で、同社が今後2年間にわたって予想を上回る売上成長を遂げると予測しています。また、同社は新たな大手顧客を獲得できる可能性も高いとされており、AI市場におけるプレゼンスが一層強まると見られています。

特にクラウド大手(ハイパースケーラー)の設備投資が、ASIC分野の成長をけん引する構造にあるため、カスタムシリコンに対する需要は今後も継続すると予想されます。

CEOも示唆する2026年後半の需要加速

2025年6月上旬の決算説明会では、最高経営責任者(CEO)のホック・タン氏が「AIチップの需要は2026年後半にかけて加速する可能性がある」と発言しています。これは生成AIの“推論処理”の需要増加が背景にあるとされています。推論とは、学習済みのAIモデルが実際に回答を出す処理のことです。

このように、エヌビディア(NVDA)などのGPUとは異なる領域であるASICにおいて、ブロードコムは他社にない強みを持っており、AI時代の半導体戦略においても中核的な存在になりつつあります。

株価の現状と今後の見通し

6月24日の米国市場でブロードコムの株価は前日比+3.69%の263.77ドルとなり、年初来で13.8%の上昇となっています。これを受けて、HSBCは目標株価を従来の240ドルから400ドルへと引き上げました。これは現在の株価に対して52%の上昇余地あることを示しており、投資家にとって注目すべきポイントとなっています。

*過去記事はこちら ブロードコム AVGO

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