米国の仮想通貨関連企業、サークル・インターネット・グループ(CRCL)の株価が上場以来急騰しています。ステーブルコイン「USDC」の発行元として注目される同社は、今後も大きな成長が期待されており、シーポート・リサーチ・パートナーズのアナリストであるジェフ・キャントウェル氏は「買い」推奨を出しています。
上場から株価は7倍超、急成長を記録
サークル・インターネットは2025年6月5日に新規株式公開(IPO)を行い、初値は1株31ドルでした。その後、株価は急騰を続け、6月19日には199.59ドル、6月21日には240ドルまで上昇しています。これはIPO価格の約7.7倍に相当します。
アナリストは目標株価235ドルを提示
キャントウェル氏は6月21日、同社株に対して「買い」評価を付け、目標株価を235ドルとしました。これは19日時点の終値から約18%の上昇余地がある水準です。
株価上昇を後押ししたのは、米上院で「Genius Act(ジーニアス法)」が可決されたことも大きく影響しています。この法案はステーブルコインに関する規制の枠組みを整備するもので、現在は下院での審議に移っています。規制の明確化は、サークルにとって成長を後押しする材料となります。
ステーブルコイン市場は今後も拡大へ
現在、ステーブルコイン市場の時価総額は約2,600億ドルですが、キャントウェル氏は2026年末までに5,000億ドル規模へ拡大すると予測しています。さらに長期的には、2兆ドル規模に達する可能性もあると見ています。
この市場の拡大により、サークルは年間25〜30%の売上成長が期待され、事業の拡大に伴って利益率の改善も見込めます。
リアルタイム決済ネットワーク「CPN」にも注目
サークルの今後の成長を担うのが、金融機関向けリアルタイム決済サービス「サークル・ペイメント・ネットワーク(CPN)」です。このサービスは国際送金やサプライヤーへの支払い、給与送金など多様な用途での活用が見込まれており、大手金融機関にも広がる可能性があります。
キャントウェル氏は「CPNの導入により、既存のUSDCの勢いがさらに加速する」と述べ、将来的な事業拡張に大きな期待を示しました。
他のフィンテック銘柄と比較しても突出したパフォーマンス
サークル・インターネットの株価上昇は、他の新興フィンテック企業と比べても際立っています。同時期に上場したイートロ・グループ(ETOR)はIPO価格比で21.9%の上昇、チャイム・フィナンシャル(CHYM)は17.2%の上昇にとどまっています。
また、コインベース・グローバル(COIN)の株価は過去1か月で16%上昇、ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)は19.4%の上昇と、サークルの成長スピードには及びません。
仮想通貨と規制整備が後押しする成長ストーリー
サークル・インターネットは、仮想通貨市場の拡大と規制の整備という2つの大きな追い風を受けて、今後も成長が期待される銘柄です。すでに大きく株価は上昇していますが、ステーブルコイン市場の将来性と、リアルタイム決済ネットワークの普及を考慮すれば、長期的な成長余地は十分にあるといえます。