ピンタレスト株が再評価される理由:広告収益とAI強化で成長余地拡大

2025年6月18日、米投資情報誌のバロンズは、ソーシャルメディア企業ピンタレスト(PINS)を「注目すべき買い銘柄」として取り上げました。競争の激しいSNS業界で一歩引いたポジションにあるピンタレストですが、近年のプラットフォーム改革と広告戦略の見直しにより、株価上昇のポテンシャルが高まっているとの指摘です。

株価は底を打ち回復傾向へ

ピンタレストの株価は、2021年2月の最高値(89.15ドル)から大幅に下落した後、2025年に入り回復基調にあります。年初来で20%上昇し、6月18日時点の株価は34.78ドル。時価総額は約234億ドルで、予想PERは17.9倍と、同業他社と比較して割安な水準です。

広告プラットフォームの進化:AI×ビジュアル検索

バロンズによれば、ピンタレストの成長ドライバーは「広告の質と測定性の向上」です。AIによるレコメンド精度の向上や、広告主向けの効果測定機能が整備されたことで、広告クリック率(CTR)も改善。BMOキャピタルのアナリストによると、ピンタレストは「ビジュアル検索機能を強化することで広告量と収益性を拡大」しようとしており、既に一定の成果が出始めています。

広告主の支出意欲も上昇中

ウェドブッシュ証券の調査では、ピンタレスト広告主の75%が「今後12カ月で広告予算を10%以上増やす」と回答。これは前四半期の50%から大きな改善であり、同社が広告市場でシェアを拡大しつつあることを示唆しています。

ARPU(ユーザー単価)にまだ伸びしろ

メタ・プラットフォームズ(META)のARPUが52ドル、スナップ(SNAP)が12ドル超であるのに対し、ピンタレストは6.94ドルと大きな差があります。このギャップが示すのは、同社がまだ「広告単価を引き上げる余地を十分に残している」ことです。わずか数億ドルの広告収入の積み増しでも、2桁成長は十分可能とされています。

売上・利益ともに中期成長が期待

2024年に広告成長が鈍化した要因は「食品・飲料業界の広告支出減」でしたが、これも徐々に回復傾向にあり、今後は自動車・金融・テック企業からの広告収入増加が見込まれています。アナリスト予想では、2026年までに売上高は15%成長を続け、営業利益は年率28%のペースで増加すると見られています。

バリュエーションの割安感

現在の予想PER(17.9倍)は、同規模のレディット(80倍)に比べ大幅に割安。かつてのピーク(37倍)に戻らずとも、今の株価は投資妙味があると指摘されています。


ピンタレストは「目立たない存在」から「再注目のSNS企業」へと進化を遂げつつあります。広告主の支持とプラットフォームの改善により、中期的な成長が期待される今、再評価のタイミングが来ているのかもしれません。

*過去記事はこちら ピンタレスト PINS

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