2025年6月に登場した「ダン・アイブス・ウェドブッシュAIレボリューションETF(IVES)」が、投資家の注目を集めています。著名アナリストであるダン・アイブス氏の高い分析力とテクノロジー業界への深い知見を活かし、AI関連企業30社に絞ったこのETFは、生成AI時代における有望な投資手段として評価されています。
ダン・アイブスとは誰か
ダン・アイブス氏は、米国の有力証券会社であるウェドブッシュ証券でテクノロジー分野のマネージング・ディレクターを務める著名アナリストです。過去20年にわたり、アップル(AAPL)、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)、テスラ(TSLA)などの成長をいち早く見抜いた予測で注目されてきました。
その経験と知見をベースに開発されたのが、今回紹介するIVESです。
IVESとは何か?
IVESは、ウェドブッシュ証券の「AI 30リサーチレポート」をもとに構成されるETFです。このレポートでは、AI(人工知能)の中核技術や応用分野で業績を伸ばす企業を厳選しています。
このETFはパッシブ運用で、以下の基準に基づいて構成銘柄が選定されます。
- ウェドブッシュ証券の「AI 30レポート」に選定
- ナスダックまたはニューヨーク証券取引所に上場
- 時価総額が2億5,000万ドル以上で、一定の流動性を有する
- 売上の50%以上をAI関連事業から得ている
また、構成銘柄のウエイトは4%を上限とし、四半期ごとにリバランスが行われます。
ETFの主な構成銘柄と特色
IVESの最大の特長は、AIの中核を担う大企業と、急成長中のスタートアップ企業の両方をバランスよく組み入れている点です。
上位構成銘柄には、マイクロソフト(MSFT)、エヌビディア(NVDA)、オラクル(ORCL)、ブロードコム(AVGO)、TSMC(TSM)などの大手企業が含まれています。
一方で、シースリー・エーアイ(AI)、サウンドハウンドAI(SOUN)、イノデータ(INOD)、エラスティック(ESTC)などの成長企業も組み入れられており、幅広いAI関連銘柄にアクセスできます。
早くも好スタートを記録
2025年6月3日に設定されたIVESは、同月18日までに2.8%の上昇を記録しています。これは、同期間のナスダック100指数(QQQ)の1.4%上昇を大きく上回るパフォーマンスです。信頼性のある構成とテーマ性に基づくポートフォリオが、短期的にも市場の期待を上回る結果を示しています。
年間経費率は0.75%とやや高めですが、独自性ある銘柄選定とアクティブに近いテーマ型ETFである点を踏まえれば、コストに見合う価値があるとも言えます。
長期投資としての魅力
AIは今後10年で2兆ドル規模の市場を形成するとされており、IVESはその恩恵を享受する企業群に集中投資できる手段となります。個別株投資では難しい「テーマ全体への分散投資」を実現し、特にAI分野への戦略的エクスポージャーを取りたい投資家にとって有効です。
今後の市場サイクルを通じてパフォーマンスを検証していく必要はありますが、現時点では、長期視点でポートフォリオの一部に加える価値があるETFといえそうです。