マーベル・テクノロジー株が急騰!AIチップ市場550億ドルの衝撃

2025年6月18日、半導体設計を手がけるマーベル・テクノロジー(MRVL)の株価が急上昇しました。AIカスタムチップ市場に関する強気な見通しを示したウェビナーが好感され、株価は一時9.8%高の76.82ドルをつけました。年初来ではまだ31%下落していますが、今回の発表で投資家の期待が再燃しています。

AIカスタムチップ市場の見通しを550億ドルに引き上げ

マーベル・テクノロジーは、2028年までにAI向けカスタムプロセッサの総アドレス可能市場(TAM)が550億ドルに達するとの予測を公表しました。これは以前の430億ドルから大幅な上方修正となります。

なお、先月は「不透明なマクロ経済環境」を理由に投資家向け説明会を延期したことで株価が下落し、失望感が広がっていました。

大口顧客との関係維持が今後の鍵

昨年、マーベル・テクノロジーの株価は、グーグル親会社のアルファベット(GOOGL)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)といった大手企業が、エヌビディア製品に代わるカスタムチップを同社に発注すると期待されたことで急騰しました。

しかし、最近ではアマゾンの次世代AIチップ「Trainium」の設計から外れるのではないかという懸念が広がっていました。今回のウェビナーでは、マーベルが「新興ハイパースケーラー」2社と新たにカスタムAIチッププロジェクトを締結したと発表し、市場の不安を一部払拭しました。社名は明かされていませんが、ChatGPTを開発するオープンAIや、イーロン・マスク氏のxAIなどが候補に挙がっています。

アナリストの評価は分かれる

投資家からは、マーベルがブロードコム(AVGO)のように、大手チップ顧客との長期契約を安定的に確保できるかに注目が集まっています。とくにアマゾンとの関係維持が重要視されています。なお、台湾のAIchip社がアマゾンの代替サプライヤーになるとの報道もあり、競争は激しさを増しています。

ウィリアム・ブレアのアナリスト、セバスチャン・ナジ氏は「競争環境が厳しい中でも、AI需要の急増を背景に株価のリスクとリターンのバランスは好ましい」と評価し、マーベルに対して「アウトパフォーム」の格付けを継続しています。

一方、メリウス・リサーチのアナリスト、ベン・ライツェス氏は、2025年~2026年のデータセンター関連売上成長の不透明さを理由に「ホールド」の評価と76ドルの目標株価を維持しました。マイクロソフトのMAIAチップの展開や、アマゾンのTrainium 3の成否が、今後の焦点となります。

*過去記事はこちら マーベル・テクノロジー MRVL

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