2025年6月18日、サークル・インターネット・グループ(CRCL)の株価は米国上院によるステーブルコイン規制法「Genius Act」の可決を受け、再び急騰しました。6月5日に上場したばかりの同社は、IPO価格の6倍近くとなる183ドルに達し、投資家の関心を集めています。
ステーブルコイン規制の枠組みを整備するGenius Actとは?
上院で可決された「Genius Act」は、米ドルや米国債に連動したデジタル通貨=ステーブルコインの発行と運用に法的な枠組みを与える画期的な法案です。法案の要点は以下の通りです。
- ステーブルコイン発行者は、米国人向けの利用を目的とした「認可発行者」に限定される
- 認可発行者は、銀行の子会社、連邦認定のノンバンク発行者、または州認定の発行者である必要がある
- 発行済みステーブルコインには1対1での準備金保有が義務付けられ、米ドルまたは流動性の高い資産で保全される
- 毎月の準備金情報と償還ポリシーの公開が義務付けられる
- 外国の発行者に対しても米国内で通貨を提供するための明確な手続きを規定
この法案は現在、下院での審議に進んでおり、可決された後はドナルド・トランプ大統領による署名を経て成立する見通しです。
規制の明確化でステーブルコイン市場に追い風
ステーブルコインは、価格が安定していることからデジタル決済や取引の手段として注目されてきました。しかし、法的な曖昧さがこれまでの成長の障壁となっていた側面もありました。
Genius Actによって、発行者の信頼性と資産の裏付けが保証されることで、投資家や企業の利用がさらに広がると考えられます。特にサークル・インターネットのような主要発行企業にとっては、市場拡大の大きな追い風となる可能性があります。
IPO市場にも追い風、サークル以外にも注目株が続々
2025年のIPO市場では、サークル・インターネットに加え、AI関連やITインフラ企業の新規上場が目立っています。たとえば、エアロ・グループ・ホールディングス(AIRO)は上場後に140%上昇、MNTN(MNTN)は64.8%、ファットパイプ(FATN)は126.1%の上昇率を記録しています。
これらの動きは、2021年以来低調だったIPO市場がようやく回復基調にあることを示しています。市場には新しい成長分野を求める資金が集まり始めており、ステーブルコイン関連銘柄はその筆頭となっています。