2023年以降、AI関連支出の拡大を背景に、ブロードコム(AVGO)の株価は340%以上も上昇。市場では、テスラ(TSLA)に代わる新たな“マグニフィセント・セブン”の一角として、ブロードコムを加えるべきかという議論が活発になっています。
AI投資の恩恵を受ける半導体企業
2025年6月時点で、ブロードコムの時価総額は1.2兆ドルに達し、S&P500構成銘柄の中でも7番目に大きな企業となっています。2025年度の売上は前年比22%増、2026年度も21%増が見込まれており、これはエヌビディアに次ぐ高成長率です。
特に、カスタムチップ設計やネットワーキング向け半導体部門が成長をけん引しており、iPhone向けのWi-Fiチップやサイバーセキュリティ関連製品なども事業の幅を広げています。
テスラとの対比で注目高まる
一方、テスラは2025年に入り株価が22%下落。政治的発言や業績の伸び悩みが影響しており、2025年の売上は前年比1%減の予想です。このような状況を受け、「ブロードコムがテスラの代わりを務めるのは妥当だ」と語る市場関係者も現れています。
今後の注目ポイント
ただし、ブロードコムの株価は2025年に入ってから8%程度の上昇にとどまっており、足元ではPERが33倍と高水準で推移。短期的には過熱感が意識されている面もあります。
それでも、「業績・将来性・リターンのいずれを取っても、ブロードコムはすでに“セブン”にふさわしい存在」との声は根強く、市場では「マグニフィセント・エイト」という新たな呼び方すら浮上しています。
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