エヌビディア株が反発、ソブリンAI構想と欧州市場拡大が追い風に

2025年6月16日、エヌビディア(NVDA)の株価は1.73%上昇し、終値は144.69ドルとなりました。先週金曜13日には2.1%下落していたため、再び上昇トレンドに乗りつつあります。イスラエルとイランの対立が深まる中、株式市場全体が不安定な中でも、エヌビディアは依然としてAI分野の強い成長期待に支えられています。

地政学リスクがハイテク株に与える影響

現在の地政学リスクは、特に高バリュエーションの企業にとって逆風となる可能性があります。イスラエルとイランの緊張が高まる中、市場全体にリスク回避の動きが見られ、ハイテク株にも影響が及んでいます。とはいえ、AI関連銘柄には根強い買い需要があり、エヌビディアはその中でも注目度が高い存在です。

欧州ツアーで注目された「ソブリンAI」構想

エヌビディアのCEOであるジェンスン・フアン氏は先週、欧州を歴訪し、各国の首脳や経済関係者と会談しました。その中で強調されたのが「ソブリンAI」という構想です。これは、各国が独自のAIインフラを構築すべきという考え方で、欧州のリーダーたちはこれに強い関心を示しました。

ソブリンAI市場は1.5兆ドル規模の成長領域

オッペンハイマーのアナリスト、リック・シェーファー氏によれば、ソブリンAIは全体で1.5兆ドル規模のアドレス可能市場を形成するとされています。そのうち欧州が占める割合は1,200億ドルに達する見通しです。さらに、2028年までに複数のギガワット級データセンターが誕生する見込みで、1ギガワットのデータセンターはエヌビディアにとって最大500億ドルの売上機会を生み出すとしています。

フルスタック戦略が競争優位性を強化

シェーファー氏はレポートの中で、「AI業界の最前線に立つエヌビディアは、ハードウェアとソフトウェアを一体化したフルスタックソリューションを提供し、ラックスケールでの独自性を持っている」と述べています。同氏はエヌビディア株に対して「アウトパフォーム」の評価を維持し、目標株価を175ドルに設定しています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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