2025年6月、エヌビディア(NVDA)の株価は一時的に停滞していますが、ウォール街のアナリストたちはその成長ポテンシャルを依然として高く評価しています。
エヌビディアの株価は6月16日に1.9%上昇しましたが、17日(火)の取引序盤では0.2%マイナスの144.4ドル近辺で取引されています。この一時的な停滞は、過去3カ月で25%上昇した後の調整と見られています。
データセンター需要の拡大が追い風に
エヌビディアのジェンセン・フアンCEOは、今後4〜5年でAI対応データセンターへの年間支出が2兆ドル規模に倍増すると予測しています。これに対し、メリウス・リサーチのアナリスト、ベン・ライツェス氏は、「エヌビディアがこの2兆ドルの市場の40%を獲得する可能性があるのではないか」と指摘しています。
仮に40%のシェアを獲得すれば、年間8000億ドルの売上機会につながります。これは、現在アナリストが予想している2025年度のデータセンター部門の売上高約1800億ドルを大きく上回ります。
ライツェス氏は現在、2028年度にはデータセンターの売上が2750億ドルに成長すると予測しており、同社の長期的な成長余地はまだ十分に評価されていないと見ています。同氏はエヌビディア株を「買い」と評価し、目標株価を205ドルに設定しています。
ブラックウェル出荷で短期的にも好材料
短期的な材料としては、バークレイズのアナリスト、トム・オマリー氏がエヌビディアの目標株価を170ドルから200ドルに引き上げました。この水準は現在の株価から38%の上昇余地を意味します。
オマリー氏は、新型AIチップ「ブラックウェル・ウルトラ」の供給が第2四半期末に少量開始され、第3四半期には量産が本格化するとの見通しを示しています。これにより、2025年後半には売上の拡大と粗利益率の改善が見込まれます。
「ブラックウェル・ウルトラは現在の供給網で順調に進行しており、下半期には最大の成長ドライバーになる」と同氏は述べています。
今後の注目点
エヌビディア株は足元で一服感があるものの、AIデータセンター投資の急拡大や新製品投入が追い風となり、中長期での成長ストーリーは揺らいでいません。今後の決算や出荷状況の進展に市場の注目が集まっています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA