イスラエルがイランを空爆、米国株急落!防衛関連株が急騰した理由とは?

  • 2025年6月14日
  • 2025年6月14日
  • BS余話

2025年6月13日、イスラエルが「ライジング・ライオン作戦(Operation Rising Lion)」と名付けられた軍事行動を実施し、イラン国内の核施設や革命防衛隊の幹部を標的とする空爆を行いました。これを受けて、米国株式市場や商品市場に大きな動揺が広がりました。

作戦の規模は1980年代のイラン・イラク戦争以来最大

ウォール・ストリート・ジャーナルは、ユーラシア・グループのアナリスト、グレゴリー・ブルー氏のコメントを引用し、この攻撃が1980年代のイラン・イラク戦争以来最大規模であると報じました。

イスラエルのカッツ国防相は非常事態を宣言し、イランが報復に動く可能性を警告しました。現地報道によると、イスラエル軍は200機の戦闘機を動員し、イラン国内の100以上の標的を攻撃。革命防衛隊の司令官や、イラン原子力庁の元長官なども標的となったと報じられています。

イランは報復として100機のドローンをイスラエルに向けて発射しましたが、その多くは迎撃されたとされています。

市場に広がる不安、株価は全面安に

この軍事行動を受けて、投資家心理は一気に冷え込みました。S&P500指数(SPX)は1.1%下落し、ダウ工業株30種平均(DJIA)は1.8%安となりました。地政学リスクの高まりが、幅広い資産に波及したかたちです。

金と原油が急騰、安全資産への逃避進む

市場の不安感から、安全資産とされる金価格は1.5%上昇し、1オンスあたり約3,452ドルに達しました。ブレント原油価格も5%以上急騰し、約70ドルを記録しました。中東地域におけるエネルギー供給への懸念が、原油市場に直ちに反映された形です。

防衛関連株が上昇、ロッキードなどが買われる

一方で、イスラエルへの軍事支援を行う米国の防衛関連企業には買いが集まりました。ロッキード・マーチン(LMT)は3.7%上昇し、L3ハリス・テクノロジーズ(LHX)は2.6%高となりました。ノースロップ・グラマン(NOC)も3.9%上昇し、RTX(RTX)は3.3%の上昇を記録しました。

ジェフリーズのアナリストであるシェイラ・カヤオグル氏は、「この攻撃は市場に対する不安定要因であり、防衛関連株の需要を押し上げる要因になる」と指摘しました。

イランとイスラエルの対立は2024年から継続

キャピタル・アルファ・パートナーズのアナリスト、バイロン・キャラン氏は、「両国は2024年から事実上の戦争状態にあり、今回の攻撃で関係が劇的に改善する可能性は低い」と述べています。さらに、「イスラエルは空爆のみではイランの軍事力を無力化することはできず、地上軍をテヘランに送ることもできない」との見解を示しました。

なお、今回の作戦は2024年10月の「悔い改めの日作戦(Operation Days of Repentance)」に続く、イラン軍事施設への大規模攻撃となりました。この際には、ロッキード・マーチン製のF-35戦闘機が使用されたことも明らかになっています。

今後の地政学リスクに警戒必要

今回の「ライジング・ライオン作戦」は、イスラエルとイランの対立が新たな局面に入ったことを示しています。今後の報復やさらなる軍事行動次第では、エネルギー価格や株式市場への影響が一段と拡大する可能性もあり、投資家にとっては地政学リスクへの警戒が欠かせない局面となっています。

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