2025年Q4決算好調のオラクル、2026年度の「驚異的な成長目標」で株価急騰

  • 2025年6月12日
  • 2025年6月12日
  • BS余話

アメリカのソフトウェア大手オラクル(ORCL)の株価が、2025年6月12日のプレマーケットで7.7%上昇し、190ドルに達しました。背景には、同社が2026年度に向けて掲げた「驚異的な成長目標」があります。アナリストの間では期待と懐疑が交錯しています。

2025年度第4四半期決算は市場予想を上回る

オラクルは6月11日、2025年度第4四半期の決算を発表しました。売上は前年同期比で11%増の159億ドル、調整後1株利益は1.70ドルと、いずれも市場予想(売上156億ドル、1株利益1.64ドル)を上回る好結果となりました。

CEOのサフラ・キャッツ氏は、「2025年度は非常に良い年だったが、2026年度はさらに良くなると見込んでいる。売上成長率は劇的に高まる見通しだ」とコメントしています。

クラウド事業での成長目標を大幅に引き上げ

同社は、2026年度のクラウド関連売上の成長率目標を、2025年度の24%から40%に引き上げました。さらに、クラウドインフラ部門の成長率については、50%から70%以上を見込んでいます。

この強気な目標に対し、キー・バンクのアナリスト、ジャクソン・エイダー氏は「確かに驚異的な目標だが、あくまで“目標”に過ぎない」と慎重な見方を示す一方、「オラクルは契約残高を急速に積み上げており、一部の目標達成は十分現実的だ」とも評価しています。

アナリスト評価は強気、目標株価も続々引き上げ

エイダー氏は、オラクル株の投資判断を「オーバーウエート」で据え置き、目標株価を200ドルから225ドルに引き上げました。ジェフリーズのブレント・スリル氏も目標株価を220ドルに引き上げ、「AIインフラ拡大が確実に進行していることが今回の決算で裏付けられた」と分析しています。

ファクトセットのデータによると、同社をカバーする41人のアナリストのうち63%が「買い」またはそれに準じる評価を付けており、これはS&P500企業平均の55%を上回っています。なお、「売り」と評価しているアナリストはいません。

過去1年で株価は26%上昇、今後のバリュエーションに注目

オラクルの株価は過去12カ月で26%上昇し、S&P500の11%を大きく上回っています。一方で、現在の予想PER(株価収益率)は26.4倍とされており、成長期待が先行する中で割高感を懸念する声もあります。

クラウドとAIインフラへの積極投資が実を結ぶか、2026年度の業績に注目が集まります。

*過去記事「オラクルの株価が時間外取引で下落 – クラウド売上の予想未達が影響

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