テスラ株が急反発!無人運転動画でロボタクシー実現に期待高まる

2025年6月10日、電気自動車大手テスラ(TSLA)の株価が4.3%上昇し、321.8ドルに達しました(米国東部夏時間14:40現在)。テスラの時価総額は再び1兆ドルを超え、注目を集めています。その背景には、テキサス州オースティンの街中を無人で走行するテスラ車の動画がソーシャルメディア上で拡散されたことがあります。

この動画には、運転席に誰もいない車両が走行する様子が映っており、テスラのロボタクシーサービス開始が近いとの期待が高まっています。テスラはこの件に関してコメントを控えていますが、市場の反応はすでに株価に表れています。

販売不振の警告を打ち消すロボタクシーのインパクト

ウェルズ・ファーゴのアナリスト、コリン・ランガン氏は、2025年第2四半期もテスラの販売実績は振るわないと警告しています。ランガン氏が追跡している業界データによると、5月までの北米での納車台数は前年同期比で13%減少し、欧州では42%減、中国では22%減とされています。

ファクトセットのデータによれば、第2四半期のテスラの世界納車台数予測は約41万2,000台で、前年同期比で7%の減少となる見通しです。ランガン氏は、これらの販売不振が利益率の圧迫につながると見ており、テスラ株の投資判断を「売り」とし、目標株価を120ドルとしています。

しかし、投資家の関心は販売台数よりも、ロボタクシーや政治的な動きに向かっているようです。

トランプ大統領の発言も株価回復の一因に

テスラ株は、9日には一時281.85ドルまで下落しましたが、終値は308.58ドルと前日比で4.6%上昇しました。この回復のきっかけとなったのが、トランプ大統領によるイーロン・マスク氏への好意的なコメントです。

トランプ大統領は、ロサンゼルスの抗議活動に対する政策に賛同する形で、マスク氏の投稿にアメリカ国旗の絵文字を用いて反応したことや、カリフォルニア州知事に対する批判的な投稿をリポストしたことからも、政治的に接近している様子がうかがえます。

先週、マスク氏とトランプ大統領の間でSNS上で意見の衝突があり、テスラ株は2日間で17%も下落しました。しかし、6月10日時点でその下落分の60%は回復しています。

自動運転が切り開く成長ストーリー

6月3日、テスラ株は344ドルを超えて取引されていましたが、その後の政治的騒動で株価は乱高下しました。それでも今、投資家たちは再びテスラの成長戦略に注目しています。

特にロボタクシー事業は、新たな収益源となる可能性があると期待されています。完全自動運転技術が実用化されれば、車両販売モデルからサービス型モデルへとビジネスの重心が移り、長期的な収益成長につながるという見方が強まっています。

2025年初めからの株価は約24%下落しているものの、過去12か月では約75%の上昇を記録しており、依然としてボラティリティの高い銘柄となっています。

まとめ

販売台数の減少やアナリストの厳しい見解にもかかわらず、テスラ株は自動運転技術や政治的支援への期待から力強く反発しています。今後、ロボタクシーの正式発表やサービス開始時期が明らかになれば、さらなる株価上昇につながる可能性があります。テスラは依然として、市場の注目を集める最先端企業であると言えます。

*過去記事はこちら テスラ TSLA

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