ChatGPTが世界的な障害で話題に、AI依存社会の実態が浮き彫りに

  • 2025年6月11日
  • 2025年6月11日
  • BS余話

2025年6月10日、人工知能チャットボット「ChatGPT」に大規模な障害が発生し、世界中のユーザーから苦情が相次ぎました。

オープンAI(OpenAI)のステータスページによると、ChatGPTでは「エラー率が高い状態」が続いており、多くのユーザーが利用できない状況となっていました。

世界的な障害と検索急増

障害が発生した10日、DownDetector.comにはChatGPTに関する問題の報告が数千件寄せられました。さらに、Googleでは「ChatGPTが使えない」といった検索が50万件を超え、アメリカ国内で2番目に検索されたトピックとなりました。

SNSでも、「Reddit(RDDT)」や「X(旧Twitter)」を中心に多くの投稿が見られ、業務や学業に支障をきたしたという声が相次ぎました。あるユーザーは、「午前4時半まで起きてプロジェクトの仕上げをChatGPTにレビューしてもらおうとしていた」と投稿し、ツールへの依存度の高さが浮き彫りとなりました。

ChatGPTの普及と利用実態

オープンAIのCOO、ブラッド・ライトキャップ氏によれば、ChatGPTの週間アクティブユーザー数は2025年2月時点で4億人に達しています。これはX(旧Twitter)の月間アクティブユーザー数(約6億人)にも迫る規模です。

また、調査機関「Conversation」が4月に実施した世界32,000人の労働者を対象とした調査では、58%が業務でAIを活用していると回答。そのうち約3人に1人が毎日、または週に数回AIを使用していることが分かりました。利用者の約70%は無料のパブリックAIツールを使っており、企業専用ツール(使用率42%)を上回っています。

さらに、求人・企業評価サイト「グラスドア」の最新調査では、職場でAIを活用する人の数が2022年から2024年にかけて倍増したことが明らかになりました。

若年層で広がるChatGPTの定着

若年層にもChatGPTの利用は広がっています。ピュー・リサーチの調査によると、アメリカの13~17歳の若者のうち26%が学校の課題でChatGPTを使用したと回答しました。これは2023年の13%から倍増しており、教育現場でもAIの存在感が増していることがうかがえます。

ChatGPTは、履歴書の作成やレシピ検索、住宅購入のリサーチなど、日常生活のさまざまな場面で活用されており、社会に深く浸透しています。

他のAIツールへの関心も上昇

障害発生直後、GoogleトレンドではXの「Grok」、グーグルの「Gemini」、そして「ディープシーク」といった競合AIチャットボットの検索数が急増しました。ユーザーが代替手段を求める中、AI市場の競争がさらに激化していることを示しています。

オープンAIの対応と復旧状況

オープンAIは10日午後、「APIおよびChatGPT全体で復旧が進んでいる」と発表。その後、「APIは完全に復旧し、ChatGPTもモニタリングを継続中」との続報がありました。

なお、この障害は、同社が年間売上100億ドルに到達したと発表した翌日に発生したため、タイミングにも注目が集まっています。

AI社会の現在地と課題

今回の障害は、AIへの依存度が日常生活にとどまらず、ビジネスや教育の現場でも急速に高まっていることを改めて浮き彫りにしました。AIツールの利便性が広く認識される一方で、障害時の影響をいかに抑えるかという課題も浮上しています。

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