台湾積体電路製造(TSMC、ティッカー:TSM)は6月10日、2025年5月の売上が前年同月比で40%増加したと発表しました。この好調な業績を受けて、株価は上昇し、投資家の関心が集まっています。
5月単月で107億ドル、前年同月比40%増
TSMCの5月の売上は3,205億ニュー台湾ドル(約107億ドル)に達し、前年同月比で40%の大幅な増加となりました。2025年1月から5月までの累計売上も前年同期比で43%増と、堅調な成長が続いています。
一方、前月比では8.3%の減少となっており、季節要因や受注タイミングによる変動の可能性もあります。
米国市場でもADRが堅調
米国市場では、TSMCの米国預託証券(ADR)も好調です。6月10日のプレマーケット取引で、ADRは2.4%上昇し211.83ドルを記録。過去12ヶ月で25%上昇しており、S&P500のパフォーマンスを大きく上回っています。
エヌビディアなどの先端チップ製造で中核を担う
TSMCは、世界を代表する半導体製造企業であり、エヌビディア(NVDA)をはじめとした主要テクノロジー企業に向けて先端チップを供給しています。AIやハイパフォーマンスコンピューティングの分野で欠かせない製造技術を有しており、半導体業界をけん引する存在です。
今後の見通し
AIや生成AI向けの需要が拡大する中、TSMCの売上成長は2025年後半以降も継続する見通しです。前月比での売上減は一時的とみられ、通期では依然として力強い成長トレンドを維持しています。特にエヌビディア向けを中心とした生成AI用途のチップ需要が、今後の成長ドライバーとして注目されています。
*過去記事はこちら TSMC