IPO銘柄イートロに「買い」評価続出!個人投資家に人気のフィンテック株

  • 2025年6月10日
  • 2025年6月10日
  • BS余話

2025年5月14日に新規上場を果たしたフィンテック企業、イートロ・グループ(ETOR)は、個人投資家を中心に大きな注目を集めています。上場価格52ドルに対し、現在の株価は75.97ドルまで上昇し、5月最終週には2日連続で約10%の上昇を記録しました。

イートロは、コピー機能「CopyTrader」や分散投資サービス「SmartPortfolio」を通じて、特に若年層の個人投資家から高い支持を得ています。アナリストたちの評価も徐々に出揃い始めましたが、その見解は分かれています。

好調なIPOに続く強気評価:カンターと米国みずほが「買い」を推奨

カンター・フィッツジェラルドのアナリスト、ブレット・ノブロック氏はイートロに「オーバーウェイト(買い)」の評価を付け、12カ月後の目標株価を84ドルとしました。現在の株価は2025年予想利益に対して約26.5倍とされ、年間15%の利益成長が見込まれる中で「適正な水準」だと述べています。

さらに、イートロがヨーロッパ市場で2023年から2028年の間に2,200万件の新規口座開設を見込んでいる点や、シンガポールでのライセンス取得準備、ラテンアメリカ市場への進出可能性も評価材料に挙げています。

米国みずほ証券のダン・ドレブ氏も「アウトパフォーム(買い)」の評価を下し、目標株価を80ドルとしています。ヨーロッパにおけるリテール投資家の増加や、Z世代が従来より早く投資を始めている傾向を背景に、イートロの「バイラルなソーシャルトレーディングアプリ」としての魅力に注目しています。

また、約80兆ドル規模とされる世代間の資産移転や、米国・アジア市場での拡大余地も強気材料としています。

中立的な見解も:ドイツ銀行とサスケハナが慎重姿勢

一方、ドイツ銀行のアナリスト、ブライアン・ベデル氏はイートロに「ホールド(中立)」の評価を与え、目標株価を70ドルとしました。個人投資の民主化というトレンドには賛同するものの、特に米国市場においてはイートロのビジネスモデルがまだ確立されておらず、既存プレイヤーとの競争が激しいことを指摘しています。

イートロが欧州市場で高いシェアを持っていることは評価しつつも、リスクとリターンのバランスを考慮すると「現状の株価水準は妥当」としています。

サスケハナ・ファイナンシャルのジェームズ・フリードマン氏も「ニュートラル(中立)」の見解を示し、同じく目標株価を70ドルに設定しました。同氏はイートロの「ソーシャルトレーディングプラットフォーム」のエンゲージメントや、リテール投資の長期的な成長性、マーケティング効率を評価する一方で、競争の激化と規制リスクを懸念材料としています。

フィンテック熱高まる中、イートロの未来に注目

イートロの好調な上場と株価上昇は、他のフィンテック企業にも好影響を与えています。直近ではサークル・インターネット・グループ(CRCL)が堅調なIPOを実施し、今週にはチャイム・ファイナンシャル(CHYM)の上場も控えています。チャイムは、コインベース・グローバル(COIN)と同規模の評価額でのIPOを予定しており、フィンテック分野全体に対する期待が高まっている状況です。

イートロは、個人投資家とのつながりを強みに成長を続けており、その戦略と市場展開が今後の株価にどう反映されるのか、注目が集まります。競合との競り合い、そして新市場での成果が今後の鍵を握ると言えます。

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