6月9日(月)の米国株式市場は、おおむね上昇基調で推移しました。ロンドンで再開された米中貿易協議が投資家心理を支えた一方で、個別銘柄には明暗が分かれる展開となりました。
以下は、9日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
テスラ (TSLA)
株価変動: +4.55%
詳細: テスラは電気自動車(EV)業界のリーダーであり、自動運転技術の開発にも注力する企業です。テキサス州オースティンでのロボタクシーサービスのローンチが報じられ、株価が反発。CEOイーロン・マスク氏とトランプ大統領との対立が先週の株価急落の要因でしたが、今後の新事業展開に期待が集まっています。
*関連記事「テスラ株が一時急落、ベアードが「買い」から「ホールド」に格下げ」
クアルコム (QCOM)
株価変動: +4.13%
詳細: クアルコムは通信向け半導体チップで世界をリードするテクノロジー企業です。英国のAlphawave IP Groupを24億ドルで買収すると発表し、高速通信と低電力チップ市場での競争力強化が評価されました。
イオンキュー (IONQ)
株価変動: +2.67%
詳細: イオンキューは量子コンピューティング分野の先進企業で、トラップイオン方式による演算技術に強みを持ちます。英国のスタートアップ企業オックスフォード・イオニクスを約10.75億ドルで買収し、技術力のさらなる強化を図っています。エヌビディアなどとの共同研究でも成果を示しました。
*関連記事「イオンキュー、英量子企業オックスフォード・イオニクスを買収 量子覇権へ前進」
エヌビディア (NVDA)
株価変動: +0.64%
詳細: エヌビディアはAI用GPU開発で世界トップの半導体企業です。ロンドン・テック・ウィークで英国政府と共同でAI産業フォーラム設立を発表し、AIインフラ支援強化への取り組みを進めています。
*関連記事「エヌビディアがロンドンでAI投資を表明、株価上昇と米中協議の影響に注目」
アップル (AAPL)
株価変動: -1.21%
詳細: アップルはiPhoneやMacなどを展開する世界有数のテクノロジー企業です。開発者向けイベント「WWDC」で期待されていたSiriのAIアップデートが延期されたことが嫌気され、株価が下落しました。
*関連記事「WWDC 2025でアップルが見せたAI戦略の今:Siriの進化はお預けに」
ロビンフッド・マーケッツ (HOOD)
株価変動: -1.98%
詳細: ロビンフッド・マーケッツは個人投資家向けの無料株式取引アプリで知られるフィンテック企業です。S&P500指数構成銘柄への採用が見送られたことが失望売りにつながりました。
ワーナー・ブラザース・ディスカバリー (WBD)
株価変動: -2.95%
詳細: ワーナー・ブラザース・ディスカバリーはHBOやCNNなどを傘下に持つ大手メディア企業です。ストリーミング事業とネットワーク事業の分割を発表し、事業再編による効率化を目指しますが、市場の反応はマイナスでした。
インタラクティブ・ブローカーズ (IBKR)
株価変動: -3.38%
詳細: インタラクティブ・ブローカーズはプロ・個人投資家向けに低コストの取引プラットフォームを提供する証券会社です。S&P500構成銘柄への採用が見送られ、株価が下落しました。
インテュイティブ・サージカル (ISRG)
株価変動: -5.55%
詳細: インテュイティブ・サージカルは手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を開発する医療機器企業です。ドイツ銀行が競争激化を理由に格下げし、目標株価を引き下げたことで売りが強まりました。
*関連記事「インテュイティブ・サージカル株が急落、ドイツ銀行がウォール街で初めてとなる「売り」評価」
シェニエール・エナジー(LNG)
株価変動: -5.89%
詳細: シェニエール・エナジーは米国最大の液化天然ガス(LNG)輸出企業です。S&P500指数への採用が期待されていたものの、見送りとなったことで投資家の失望感から株価が下落しました。
アプラビン (APP)
株価変動: -8.21%
詳細: アプラビンはモバイルアプリの広告・収益化プラットフォームを展開する企業です。S&P500への採用が期待されていましたが見送りとなり、投資家の失望売りが広がりました。
エコスター (SATS)
株価変動: -8.52%
詳細: エコスターは衛星通信と無線インフラを提供する企業で、現在はディッシュ・ネットワークと統合されています。通信免許の失効リスクを巡り、連邦破産法第11条の適用を検討中と報じられ、株価が急落しました。
*過去記事 株価変動